2019年3月にCIIA(国際公認投資アナリスト)試験を受験して、1週間が経ちました。試験が終わってほっとしている一方、花粉症に苦しめられています。さて、忘れないうちに勉強に使った参考書や勉強時間等をまとめておきたいと思います。
受験の記録(2019年3月)
受験の記録はこちら。後ほど勉強期間・時間等をまとめていますが、2019年1月後半から勉強を始めたので
約2か月+α
の勉強期間でした。試験当日は、午前・午後の丸1日の試験でした。
使用した参考書
使用した参考書は、
過去問のみ
でした。CIIAに登録(登録料約36,000円・受験料は別)した際に送付されてきます。なお、CMA(証券アナリスト)と違って、半年程度の通信講座を受ける必要はなく、登録料振込後すぐに受験の申し込みができます。
あとは調べものするのにCMA(証券アナリスト)でも定番の「新・証券投資論」。使った参考書はこれだけでした。
過去問同様、登録時に送付されてきた「デリバティブ分析」も当初は手を付け始めましたが、時間が無くなってほとんどやりませんでした。過去問の内容で十分かと思いますので、時間があったら手を付けたほうがいいくらいだと思います。
勉強期間と時間
勉強期間は前述のとおり2か月程度でしたが、勉強時間は
総じて100時間
くらいだったと思います。 過去問を50時間、過去問を解いてて疑問に思ったことの調査・整理で50時間という印象です。そういった意味では、このブログに書くことにより、大分頭の整理ができました。アウトプットは重要ですね。
細かいスケジュールとしては、2018年の年末にバタバタと試験申込みを行い、本格的に勉強を開始したのは1月13日のTOEICが終わってからでした。ですので、勉強期間としては1月14日~3月9日の約2か月間でした。途中、IT関係の資格を受けたりはしました。ちなみにこれは合格しました。
全体の勉強スケジュールですが、1月~2月は平日の勉強目標はなく、 土日に「5時間ずつ」が当初の計画でした。2月の後半に少し有給を取り、有給の間は土日分の勉強時間を確保しました。3月の試験前の平日(3月4日~8日)は焦ってきて、平日でも仕事帰ってきてから死ぬ気で2時間~3時間くらい勉強しましたかね。
当初は、 家じゃ勉強できない!とか言ってましたけど、結局時間がもったいないので、家で勉強するようになってました。外で勉強するのは、 気分転換程度の頻度になっていました。
ちなみに勉強時間は、日ごろの生活の状況にも左右するかと思います。たとえば証券会社に勤めている人やファンドマネージャーは、日常的に財政・金融政策のアップデートやデリバティブの計算なんか呼吸のようにされているかと思いますので、勉強なんかしなくても受かりそうです。
私の場合、経済の勉強も社会人になってから始めましたし(今考えたら大学の選択科目で経済取っておけば良かったと思います)、職業もちょっとマーケット気にするぐらいで、ディバティブの”デ”すら使わない環境です。証券アナリストの2次試験もそれなりに勉強したのにもかかわらず、一度落ちた経験があります。
CMA(証券アナリスト)試験との違い
CMA(証券アナリスト)の2次試験、CIIA(国際公認投資アナリスト)はどちらも午前・午後の丸一日を費やす筆記試験です。違うところと言えば、CIIAは公式集の持ち込みが可能です。
ちなみに、CMAの2次試験合格からは数年以上空いており(しかも一度不合格)、仕事も運用に全く関係のない業務でした。
しかし、今回受験して思ったのが
CIIAのほうが内容をきちんと理解しないといけない
と思いました。
試験範囲としてはそれほど大きくは変わらない(CIIAには為替パリティが含まれるくらいです)と思いますが、CIIAでもCMAでも良く出るデリバティブの裁定取引や債券や株式の戦略に関する問題は、CIIAのほうがより実務的な観点で問うてくる印象があります。
CMAの場合、どのような戦略かは関係なく、債券価格・株式戦略・オプション価格といった計算が中心で、基本的な公式を覚えているか(理解しているかは別)を問う問題でした。まさにその通りなんですが、私自身がデルタとは何かとか、デリバティブの価格曲線、債券の金利構造等基本的な概念を理解していないCMAホルダーが存在します。
CIIAは試験中に公式集を見てもOKです。そのせいか、公式を覚えているかは必要なくて
- その概念(公式)を理解しているか
- そこから何か分かるか
- その理論を前提とするとこの状況はどうなると考えるか
と、かなり実務に沿った(私の知識レベルの話ですが)問題が多く
受けて良かったな
と思える試験でした。
CMAが意味がないと言っているわけではなく、CMAを経ないとブラッグ=ショールズや、マルチファクター、CAPM等の基本的知識の存在を知らないと応用も実務もないと思いますので、より知識を深めるための良い(それでも大変ですが)ステップかと思います。
逆に言えば、外資系のコンサルティング会社で働いている人は実務が先に来ますので、CMAのような”暗記してるかい?”系の問題は苦手なのかもしれませんね。(妄想)
振り返ってみて大変だったなぁと思うことは、個人的に苦手分野だった経済の内容を思い出すのに一苦労したことです。今となってしまえば一度理解しているので、財政政策・金融政策の違い、中央銀行の役割等をすんなり思い出すことができます。
しかし、CMA(証券アナリスト)試験時代に”なんとなく”勉強した程度だと、細かな日本語の表現や前提条件の違いでも手が止まってしまうことが多く、簡単に解説してくれる本を探しました。ざっくりというか簡単すぎる内容で参考書というわけではありませんが、四六時中この本を持ち歩いていました。
やっぱり”分量が少ないほうがシンプルで使いやすい”に落ち着きました。
CIIAの受験が終わって
正直いうとCIIAの受験の動機は、会社で「何か資格を受けなさい」という目標制度があったためで、暇つぶし(当初は登録料・受験料もこんなに高いとは考えていなかった)にでもと始めた資格試験でした。
ただ、受験料が高かったので「落ちれない!」と思い、それなりに真剣に勉強をしてきました。その甲斐あってか、CMA(証券アナリスト)のときに「勉強はした」内容が「身についた」内容になりました。
終わってからいうと、かなり付け焼刃の分野もあったので、12月から約3か月間の勉強時間を確保し、少なくとも過去問を2周くらいしたほうが良かったと感じました。今回は比較的得意分野(復習した場所)の配点が大きかったので、もう少し不得意分野が出ていたら、違った手ごたえになっていたかと思います。
また、CIIA(国際公認投資アナリスト)の見方も変わりました。最初は管轄団体が少し違うだけで難易度・合格者の知識レベルは同じだろ、と思っていました。しかし、今回の受験を経験して、 両資格のホルダーに対しての見方が、
「CMAは公式を覚えただけ」である一方で「CIIAは基本的な説明ができる」と区別できる
ことを感じました。もちろんCMAホルダーでもバリバリの人はいらっしゃいますけど、足切りでという意味です。
結果報告(2019年5月更新)
2019年5月に試験結果が開示され、無事合格することができました。
また、2019年3月試験の合格率等が公表されましたので、ご参考に。
現在はCIIA(国際公認投資アナリスト)の名前に恥じぬよう、TOEICの勉強に奮闘しています。