米国金利が上昇しています。金利が上昇するということは、債券価格が下落しているということです。

2024年1月、米国の超長期債(20年債)への投資を始めました。当時は米国の政策金利が高止まりする中、長期金利にも歴史的な高さの利回りが付いており、「ここで長期の利回りを固定できるなら悪くない」という判断だったことに加えて、いずれ利下げ局面に入れば債券価格の上昇(キャピタルゲイン)も期待できる、という思惑がありました。
実際、その後の1〜2年は概ねシナリオ通りに進んだ時期もありました。米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに動く局面では長期金利も低下し、保有する超長期債の価格は上昇しました。

ところが2026年に入ってからの展開は、当初のシナリオとは様相が変わってしまいました。中東情勢の緊迫化を受けた原油高、根強いインフレ圧力、そして雇用統計の堅調さなどを背景に、市場ではFRBが利下げどころか追加利上げに動くのではないかという観測すら浮上しています。実際、直近のFOMCでは政策金利が据え置かれたものの、コアCPIは前年比で2%目標を上回る水準が続いており、7月のFOMCでの利上げをある程度織り込む動きも見られました。
こうした流れの中、米国20年債の利回りは5%台まで上昇してしまいました。なお、購入した当時(2024年1月)の20年金利水準は4.2%です。2024年1月に投資した超長期債の評価額は、購入時点と比較して目減りしています。超長期債は「デュレーション(金利感応度)」が長いため、同じ金利変動幅でも短期・中期債に比べて価格の振れ幅が大きくなってしまいますが、これが超長期債投資の醍醐味であると同時に、リスクの本質でもあるのは百も承知です。
一方で、この2年半を振り返ると、実際の投資成績はそこまで悲観するものではありません。債券価格を大きく下支えしてくれたのが為替、すなわち円安の進行でした。米国の金利が市場予想以上に高止まり、あるいは再上昇する局面では、日米金利差を意識したドル買い・円売りの動きが強まりやすい。実際、ドル円は2024年当時の水準から大きく円安方向に振れました。

米国債は当然ながらドル建て資産です。債券価格そのものは金利上昇により下落していても、これを円換算すると、円安による為替差益がその目減り分を大きく補ってくれています。この記事では実際に債券価格はもちろん、利金や為替を含んだトータルリターンを見て、この2年半の投資結果を振り返りたいと思います。
まず利金を含まないキャピタルリターンのみを見てみたいと思います。上段がドルベース、下段が円ベースになっています。やはりドルベースで見ると、超長期債(TLT)は15%以上目減りしてしまっています。泣

一方で、為替(円安)を含めると、ほぼトントンになっていることが分かります。もともと超長期債は
株式下落時の分散効果・保険効果
を目的としていたものなので、ある意味「保険料ゼロ」で保険を掛けていたということになるので、良かったのかもしれません。(涙目)
続いて債券投資の醍醐味である「利金」を含んだ場合を見てみたいと思います。利金を含めると円ベースの超長期債は累積でプラス10%となっています。

なお、各々のETFの直近12ヶ月配当利回りは、SHY(短期国債(1-3年))が約3.7〜3.8%、LQD(投資適格社債)が約4.5〜4.6%、TLT(長期国債(20年超))が約4.6%となっています。これらの成績をまとめると以下の通りです。配当込み・円ベースであれば、なんとSHYとLQDは年利10%を稼いでいます。超長期債は・・・しょうがないですね。

足元、米国20年利回りは5.2%に達しています。利回りとしてはかなり魅力的な水準となった一方で、ドル円は164円に達し円高爆弾を抱えているように思えます。なかなかドル投資が悩ましいタイミングなので、引き続き債券ポジションは現状維持でしょうか。

