なにかもう試験が終わったか、または諦めてしまったようなタイトルですが、今更ながらCFAの勉強を始めて良かったという話をしたいと思います。
私自身、大学は”ド”理系だったので、経済や会計は全く触れてこなかったのですが、社会人になってからはアクチュアリーのKKT(会計・経済・投資理論)を皮切りに、証券アナリスト、つい最近ではCIIA(国際公認投資アナリスト)と、結構なお金と時間をかけて、経済や会計の勉強をしてきました。
今回CFA(米国証券アナリスト)を勉強して感じたのは(まだLevel1ですが。笑)
全然身になってなかった。
ということをひしひしと感じました。まるで中学・高校・大学と10年間も英語の教育を受けてきたのに、全く英語でコミュニケーション取れないように。
もともと完全なる理系思考の人間で、生きて来てこのかた、経済や会計等の実社会に関する知識に全く興味はありませんでした。むしろ
所詮人間が作り出したもの。自然科学こそ至高。
と下に見ていました。
とは言いながら、紙とペンの世界での能力の限界は感じていたので、研究の道に進むこともなく、教師になるかかメーカーに就職かなぁと何も考えず大学生活を過ごしていた時に出会ったのが「アクチュアリー」という道でした。
アクチュアリーになろうとすると、自然と金融系の会社に就職することになります。そして大抵は入社してすぐの研修で、アクチュアリーに全く関係ない同期たちと一緒に経済や財務等のテスト受けます。
研修所に詰め込まれ、100人以上の同期たちと座学を受けました。そして卒業試験と言わんばかりにテストを受けるのですが
結果、私は最下位でした。笑
「自分はアクチュアリー試験を受けるから、そんな勉強している暇はない。」と斜に見ていたところはあったのですが、言うてなんだかんだ真面目な私は多少の勉強はしました。当時のFRB議長はだれとか、ROEとは何かとか、そんなテストだったかと思います。
答案用紙が返ってくると、確かに半分以下の点数でした。点数が高かった人は満点はいなくとも90点台とか80点後半の人も名前を呼ばれていたので、そりゃ大学時代「経済学部」とか「商学部」で4年間勉強しているだから当たり前だろ、お前らシュレーディンガー方程式解いてみろ、と眺めていました。
とはいえ、平均は50~60点くらいで、自分は平均以下かぁ、ちょっと手を抜きすぎたなぁと考えていました。(とはいえ、5時間くらいは勉強してきたので、自分としては頑張った。)
テストが返されて、ガヤガヤした時間も過ぎ、人が少なくなったところで、担当教官的な人に「君が最下位だったよ」と、こそっと言われました。意外とみんな勉強しているんですね。
自慢じゃないですが、実は人生で比較的”テスト最下位“は経験したことがあるので、ショックはショックでしたが、「まじかー。」くらいにしか思わず、現場に配属されます。
まさに私の金融知識は”ド底辺”から始まりました。
配属先のメンターもいい意味で適当な人で「日経新聞?ヤフーニュースで十分だろう。」という人だったので、特に深く考えることもなく社会人生活を過ごすことになります。今は、私がそのメンターの年齢になりましたが、今考えると社会人の共通言語として「日経新聞は読め」と、さすがの私も言います。笑
その後も、アクチュアリー試験のKKTは意味も分からず暗記で乗り切り、証券アナリストは財務・経済・証券投資の中で経済が一番自信ありませんでした。ちゃんと知識がある人からすると「経済が一番簡単」っていいますよね。ここまでは社会人の交通手形として取っておけばいいというもので、正直自分としても「受かればいいや」といかにテストが終わった瞬間に忘れることを考えていました。
一通りメジャーな資格を取り終えて、そろそろ身になる勉強をしようと思い、CIIAを3年前に受けました。意識・目的も若かりし頃からは変わり、満を持して受けたCIIAも、当時はいろいろ理解したつもりでいたのですが、今思い出すと
過去問を丸暗記したら受かってしまった。
ような気がするくらい、CFAを受け始めて、自分の知識が整理されていないことに気づきました。
CFAは言語が日本語じゃない分しっかり理解しようという作用があるからなのか、流し読みをせず(できない)、しっかり考えるようになりました。あのややこしいIS-LM分析はもちろん、財政政策と金融政策の違い、平均費用と限界費用、国際収支統計、そもそも株式会社とは何か(コーポレートファイナンス)等、振り返れば何度も目にした内容ですが、ちゃんと理解していませんでした。
お陰様で日経新聞の記事で分からない用語がなくなりましたし、職場で交わされる経済用語についていくことはもちろん、あれ使い方違っているなぁと感じる(指摘はわざわざしませんが)こともしばしば。
この年齢になって点と点が線でつながる経験ができました。
まぁ今までどれだけ適当に生きてきたんだよ、ってことですが。笑
がっつりとした自然科学系出身なので、素数とか立方数のような特徴のある数字を見るとテンションあがりますし、虹ができる原理、GPS、有機EL、レーザー、量子コンピュータ等、世に中にある現象の原理は説明できます。それはそれで大学時代は勉強することが楽しかったです。
試験勉強は最終的に「合否」が全てですが、今は知らないことが分かるようになったので、楽しいです。まぁこのような発言を若いころの自分が聞いていたら「負け犬の遠吠え」と一蹴していたでしょう。笑
試験勉強していて体の節々にガタがきたり、圧倒的に勉強する体力がなくなった(記憶力はまだ衰えていない・・・と思いたい。)ので若い時にCFAを受けていたらこんな苦労はしなかっただろうなと思うことはあるのですが(繰り返し言いますが、まだ私はLevel1すら受かっていない。)、それはそれで過去の試験のように知識の前をただ通り過ぎってしまっていたかも知れません。
どんどん年を重ねるのに連れ、「インプットするんじゃなくて、もうアウトプットに専念しろ」と言われるようになってきました。しかし、なんだかんだ定期的なインプット、本をなんとなく読んだとかではなくがっつりとしたインプット、が必要だと思いました。
そういう意味では、今回のなぜか思い立って始めた試験勉強が、良いタイミングだったのかもしれません。外国では良くキャリアの途中でMBAだったりと大学に行く話をよく聞きますが、まさにこういった効果が期待できるからでしょうか。まぁ日本だと雇用の流動性がないですし、新卒至上主義ですし、学費と生活費で紛糾しそうなので、なかなかチャレンジするのに覚悟がいりますね。
もっと日本も雇用の流動性が高まればいいのに、と思います。とりあえず、今は「bizreach」に登録すればいいですかね?