リセッションの噂が絶えません。相場は懐疑の中で育つのか。

市場環境

この記事の画像に選んだのは「グレート・リセッション」と呼ばれるリーマンショックの最中、まさにリセッション(景気後退)の象徴となったリーマン・ブラザーズが破たんし、リーマン・ブラザーズの看板が取り外されているものです。

リーマン・ブラザーズの破たんについては、この映画「マージン・コール」が分かり易かったです。

さて、昨今のインフレや、それを抑えるべくFRBの急激な利上げが予想され、「オーバーキル」という言葉と共にリセッション(景気後退)の懸念が高まっています。

FRBが物価の安定回復のために景気を犠牲にしてしまういわゆるオーバーキルのリスク

4月6日に公開された3月のFOMC議事要旨では、参加者数人はもともとは、決定された利上げ幅の2倍にあたる0.5ポイントの利上げを望んでいたことに加え、バランスシートの圧縮を月最大950億ドル(約11兆7000億円)のペースで進めていく方向であることも明らかになりました。

これを受け、年内の利上げ回数が10回(政策金利が2.5%以上)になる可能性も市場では織り込まれてきました。

そしてとうとう「景気後退の兆候」と言われている逆イールドも終値ベースでは4月1日に観測されました。

以上のことも踏まえ、リセッション入りするとの発言が多くなっています。

まずはドイツ銀行。公的な銀行では初めて米国経済のリセッションに言及したコメントを出しました。

ドイツ銀は米当局が利上げに加え8兆9000億ドル(1100兆円)のバランスシートを来年末までに約2兆ドル圧縮するともみている。「米経済は来年終盤から2024年序盤までに行われる追加の引き締めで大きな打撃を受ける見込みだ」という。 

bloombergより
米国は2023年にリセッション入り、利上げ進む中で-ドイツ銀行予想
米金融当局が高水準で広範囲なインフレ抑制に向け利上げを進めるのに伴い、米国は来年、リセッション(景気後退)に陥ると、ドイツ銀行のエコノミスト、デービッド・フォルカーツランダウ、ピーター・フーパー両氏が5日のリポートで予測した。

続いては、サマーズ元米財務長官です。第71代米財務長官(クリントン大統領)で、16歳でマサチューセッツ工科大学に入学し、28歳にしてハーバード大学教授に就任したという、凄い経歴の人です。

景気の過熱と政策対応の遅れ、それに供給ショックが重なったのは、非常に厳しい組み合わせだと考える。今後2年ほどでリセッションに陥る可能性は、そうでない可能性よりも間違いなく高い」とブルームバーグテレビジョンで発言。「これがコンセンサスになるのではないかと考えている」と述べた。

bloombergより
サマーズ氏、米リセッション不可避の見方が「コンセンサスに」
サマーズ元米財務長官は米国が来年にリセッション(景気後退)入りするという見方に、エコノミストのコンセンサスがますます収束していくだろうと予想した。

最後はシティ。向こう1年半のリセッション(景気後退)の可能性が世界全体で約3分の1、米国で4分の1と「かなり高い」との見方示しています。

「地政学的およびエネルギー状況は極めて厳しい」と指摘。米国は幾分距離を置くことが可能かもしれないが、グリーンスパン元米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「かつて言ったように、世界が混迷する中で米国は繁栄と安定の孤立した島であり続けることはできないだろう」と語った。

bloombergより
リセッションの確率、向こう1年半「かなり高い」-シティのシーツ氏
シティグループのグローバルチーフエコノミスト、ネイサン・シーツ氏は、向こう1年半のリセッション(景気後退)の可能性が世界全体で約3分の1、米国で4分の1と「かなり高い」との見方示した。

懸念の要因と思われる”逆イールド”を振り返って見ると、逆イールドが発生してから平均で19か月後にリセッションがやってきています。

ただし、リセッションというのは景気のピークからの「減衰」であって、完全な「経済のマイナス成長」を指しているようではないようです。そういうこともあり、過去の逆イールドからの株価を見てみると、1年~2年すると株価は上昇に転じているようです。(リーマンショックの時はリセッションのピークまでに3年近くかかっていますが。)

過去と同じように景気後退になっていくのか、それとも「警告」だけで終わっていくのでしょうか。相場の格言には

強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく

というものがあります。

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