7月2日に雇用統計が発表されまして、非農業部門雇用者数は前月比85万人増、失業率が5.9%となりました。
失業率は前月の5.8%から悪化したものの、非農業部門雇用者数は前月の58万人増と大幅に改善し、市場予想の72万増を上回りました。
最近だと「良い経済指標は金融緩和の縮小を促す」との見方から、経済指標が良い結果でも株価が下がる傾向がありました。しかし、今回は素直に株価が上昇しました。
昨今「テーパリングだ!」と言って散々金利が上昇すると煽られてきたのに、逆に一服感がでてきたからでしょうか。一部報道では、失業率は悪化(5.8%→5.9%)し、賃金の伸びも弱かったことから米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和の縮小を急ぐほどではないと受け止められ、米長期金利は1.4%台にまで下落しています。
これから第2四半期の決算発表が本格化しますが、景況感にはピークアウトの兆しが出ています。商品価格の上昇による企業のコスト負担増や、半導体の供給不足による生産停滞などが懸念材料となり、米サプライマネジメント協会(ISM)が1日に発表した6月の製造業景況感指数は60.6と3月の64.7から鈍化。中国国家統計局がまとめた6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.9と3カ月連続で低下しました。
モーニングサテライトで一番発言を注目している(尊敬している)堀古キャピタルの堀古さんも
- 第2Qの決算は(当たり前に)前期比良好
- 金融政策はジャクソンホール(経済政策シンポジウム)が分岐点
- 過去1回しかないテーパリング起点の下落相場であったバーナンキショックを市場は気にしすぎ(=市場は金利上昇を十分織り込み済み)
- 秋以降は堅調
とコメントしていました。
つい先日、2021年の年末予想は4400(S&P500)と宣言しておきながら、たった5日でその一歩手前まで来てしまうとは。当分は横ばいの展開で、年末にかけて「やっぱり金利上がらないよね」ってことでじわじわ上昇することを想定していたのですが。
いわゆる
もうはまだ。まだはもう。
ってやつですね。
テーパリングに戦々恐々としている相場ですが、ポジティブな記事がありましたので、ご紹介しておきます。(前ニューヨーク連銀総裁のビル・ダドリー氏のコメント)
Q.米金融当局が2013年、購入縮小の可能性を示唆した際、金融市場にはテーパータントラムとして知られる大きな混乱が広がったが、今回はどう違うか。
A.13年当時は当局者にテーパリングに関する経験がほとんどなく、市場参加者も資産購入と事実上のゼロ金利政策からの出口のタイミングや手順がどうなるか分からなかった。今では当局者も経験を積んだ。さらに、前回の場合もタントラムを除けば、その後の出口への実際の移行は円滑だった。当局者は自信を深め、市場参加者は今後の推移を以下の順番でよく想定することができる。 1.テーパリングについての議論
bloombergより
2.実際のテーパリング
3.ゼロ金利解除
4.連邦準備制度の保有債券の段階的圧縮
人間は学習する生き物ですが、相場はそんなに合理的に動くのか。正直まだまだ波乱がありそうな匂いがプンプンしています。変にタイミングを狙わないで、自動積立で脳死したほうがいい気がしてきました。笑