注目の2023年最初のFOMCは、利上げ幅を前回の0.5%から0.25%に縮小しました。今回の政策決定は全会一致で決定されました。
記者会見で、パウエル議長は「インフレ鈍化のプロセスが始まった」と物価高の勢いが落ちてきたことを認めました。
We can now say I think for the first time that the disinflationary process has started. We can see that and we see it really in goods prices so far.
また、市場が期待している年内利下げについて、パウエル議長は会見で、「物価安定の回復には、抑制的なスタンスをしばらく維持することが必要となる可能性が高い」と指摘し、経済が自身をはじめFOMC当局者の予測通りに展開した場合、「今年中の利下げは想定していない」とコメントしました。
Given our outlook, I don’t see us cutting rates this year, if our outlook comes true.
パウエル議長は今後の政策見通しについて、「十分な引き締め的な水準にするにはあと2回ほどの利上げが必要だ」と説明しました。
We’ve raised rates four and a half percentage points, and we’re talking about a couple of more rate hikes to get to that level we think is appropriately restrictive
0.25%の利上げと「インフレと徹底的に戦う」という一貫したコメントは市場の予想通りで、一方で「インフレ鈍化(disinflationary)という言葉を使ったことがハト派に捉えられ、それまで軟調に推移していた株価は記者会見以降、大きく上昇しました。
さて、次は3月21日・22日に開催されます。パウエル議長は「あと数回」とコメントしていましたが市場は、3月の0.25%利上げを最後と予想しているそうで、年内2回(0.5%)の利下げを予想しています。
債券王として有名な、ダブルラインのジェフリー・ガンドラックCEOは、「FRBより市場のほうが正しい」とし、5%に満たない現在の水準(4.50%-4.75%)が最後とも言っています。