証券アナリストを勉強して投資の必勝法を見つける。

CIIA・証券アナリスト

NISAやideco(個人型確定拠出年金)の普及や、最近では「年金2000万円」問題もあって、個人の投資への関心が高まっているように感じられます。

特に日本は、先進国の中でも金融資産を現金・預金で保有する割合が高いです。

日本銀行「資金循環の日米欧比較」2018/8/14

その理由はシンプルで、未だバブル時の株価を更新できていないからです。

こちらの記事でまとめていますが、平成の30年間で考えると、米国は10倍、英国は4倍、ドイツは9倍と株式市場は成長しました(配当抜き)。しかし、日本はTOPIX(配当抜き)ベースで逆に30%下落しています。

30年間で2000万円貯めることを考えます。利息も配当も考えないと毎月5万円の貯金が必要です。

日本株式だとこの30年間はトントンか逆に減ってしまう(2000万円に満たない)状況になりますが、米国株式では一億円に増えていた!という感覚の違いになります。そりゃぁ投資のマインドも冷えますよね・・・

30年前と違って、今ではネットで世界中のどこへでも投資ができる時代です。ネットさえ繋がれば誰でもどこでも投資ができる時代になった一方、やはり最低限の金融リテラシーは必要です。

資産運用に必要な知識

インフルエンサー的な投資家の方々が口を揃えて言っていることは

投資は勝つのではなく、負けないことが重要。

私なりの解釈では

  • 必要以上のリスクを取らない
  • 必要なリターンを取るために最少のリスクをとる

だと考えています。

ですので、投資を始めるにあたり

  • 何がリスクなのか(リスクとはなにか)
  • 基本的な投資手法の構造(株式・債券の仕組み)

は知っておく必要があります。教科書どおりの言葉ですが、少しでも身を守るためには不可欠なアイテムです。

デリバティブやMBSなんかは構造が難しすぎて、ぱっと聞く程度だと絶対儲かりそうじゃんと思ってしまうんですが、蓋を開けてみると・・・という金融商品が現実には存在しますから。

私自信、証券アナリストをはじめ、FP(フィナンシャルプランナー)、外務員試験、DCプランナー、簿記等、多くの資格試験を受けてきました。

資産あり過ぎて多少のリスクは痛くないとか、会社経営してたので事業計画策定やリスクマネジメントの経験がありますといったことを除いては、一般の方の場合、投資に関しては、やはり証券アナリスト程度の知識を持っていたほうがいいかと思います。

普通の人は、自分の必要収益率や許容できるリスクの測定等、やったことがないと思います。「とりあえず儲かればいい」精神でリスク取り過ぎて、弾けちゃうことが相応にありますからね。

なぜ証券アナリストなのか

このブログでは度々出てきますが、証券アナリストとはなんなのでしょうか。

証券アナリストとは、証券投資の分野において、高度の専門知識と分析技術を応用し、各種情報の分析と投資価値の評価を行い、投資助言や投資管理サービスを提供するプロフェッショナルです。

証券アナリスト協会ホームページより

この試験に受かれば、”誰でも儲かるようになる”とか、”デイトレードしているような個人投資家になれる”というものではありません。

証券アナリストは、企業の自己資本や生命保険・信託銀行といった顧客の資産を運用したりする会社・部署に勤務する人や、証券会社や何とかアセットマネジメントで運用商品を開発したり、実際にトレードする人が受験するイメージです。

証券アナリストホームページより

また、医師や弁護士、公認会計士のように「この資格を持っていないとできない」という資格でもないですし、証券アナリストを取ったからと言って、いきなり何十億円を運用できる仕事に就けるというものでもありません。

私も少し運用業界にいたので、感覚として言うと、「共通の言語」が通じる程度・必要最低限の知識を座学として知っているという証明になる程度でしょうか。

運用業界の一般知識を最低限知っているという意味では、言葉は悪いですけど義務教育がとりあえず終わった「中卒」の学歴に相当するような感覚です。

どんな勉強をするのか

ざっくり言うと、株式・債券の構造とリスク・リターンの計算 、企業の財務諸表の読み方、経済(個人消費や金融・財政政策)についての問題がでます。

統計学を使って「この運用商品はどれくらいの収益が見込めるか」や「どれくらい損する確率があるのか」を計算したり、経済でいうと、米国の利下げ(金融緩和)がどのように米国経済や為替レートに影響するかといった理論を勉強します。

かっこいいところでいうと、株式投資の基本概念のCAPM理論や、ノーベル経済学賞を取ったブラック=ショールズ・モデル(オプション評価モデル)の初歩的な概念を勉強します。

取得するまでの期間と費用

証券アナリスト試験は、基本的な理論を問題とした1次試験(3科目)と、実務っぽいことを問題とした2次試験(1科目)の2つをクリアする必要があります。

1次試験は3科目同時に合格する必要はなく、一つずつ進めていくことも可能です。2次試験は1科目ですが、試験時間が420分(7時間)です。笑

また、通常の資格試験と違い、1次試験と2次試験の前に通信講座を受講する必要があります。これまた通信講座が高価で、それぞれ5万円ほどかかるのですが、教材の段ボールが送られてきても、一度も開きませんでした。笑

さらに、1次試験も2次試験も通信講座受講から3年以内に合格しないと、再度通信講座を受けるために「課金」しなければならなく、3年目に受験するときは必死です。

ちなみに私は2次試験で一度課金しています。課金後の2次試験も、ラストの3回目で合格しました!

証券アナリストの合格率

お金がかかるせいか、1次・2次試験とも、合格率は50%前後と高いです。

1次試験の合格率

上のグラフは3科目合算の合格率ですが、3科目で大きな差異はありません。

私個人としての難易度のイメージは、財務分析>証券分析>経済の順で簡単かなと考えています。(私は経済が一番難しかった。)

理由は、財務分析・証券分析はひたすら公式覚えて計算するだけなのですが、経済は文章のニュアンスをとらえる必要があり、回答に自信を持って答えられない・・・という感じでした。

2次試験の合格率

2次試験も約50%の合格率ですが、1次試験を突破した猛者たちが受けてくる中の率ですから、なかなか緊張感がありました。

かくいう私も「しょせん半分は受かるんだろ」というノリで受けてしまい、初回は玉砕しました。

加えて、「相対評価なので4割程度の正答率で受かる」という噂があるほど、答案用紙が埋まらない。

大問を完答できることは少なく、部分点で稼ぎにいくような状況になるので、合格するかどうかほんとに不安です。

最後に(ウォーレン・バフェットの言葉)

昔の記憶が蘇って、無駄に文字数を増やしてしまいました。

運用商品(あとは悪徳な商売もそうですが)には、損する確率が30%くらいあるのに、仕組みを複雑にしてそのリスクを見えないようにしたり、過少に説明することによって損する確率を1%くらいに感じさせるようにしていることが多々あります。

その運用商品の構造がどうなっていて、何がリターンの源泉なのか、逆に言えばリターンを取る仕組みの上で何がリスクになっているのか理解すること等、基本的な知識は必要だと思います。

かの著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏も

リスクとは、自分が何をやっているかよくわからない時に起こるものです。

と言っていますので、証券アナリストに興味を持っていただければということと、安全運用・長期投資で頑張っていきましょう。

ちなみに証券アナリストを取得後に「国際認定投資アナリスト(CIIA)」という試験がさらにありまして、そちらの受験記録はこちら。

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