労働するより節約して投資をしよう。ピケティの「21世紀の資本」。

金融知識
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華々しい投資の話と、地味な節約の話。

全然違う世界の話のように思えますが、この資本主義の世界の話では、切っては切れない関係があります。

資本収益率(r)>経済成長率(g)

21世紀の資本 トマ・ピケティ

フランスの経済学者であるトマ・ピケティが、2013年に出版した著書の中で記した式です。

この式が意味することは、何百年という超長期の人間の経済活動を調査すると、不等式のとおり、資本収益率は経済成長率を上回っているということです。

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経済成長率とは

ここでいう経済成長率とは、経済活動の増加率のことで、一般用語的には国内総生産(GDP)を指します。

経済成長率は「三面等価」と言われ、 ①生産面②分配(所得)面③支出面から見ても、国内総生産(GDP)は同じ値になるという性質があります。

このうち分配面から経済成長(GDP)を見てみると、雇用者所得がGDPの約半数を占めます。

実際に数字を見ると、日本の場合、GDPが約530兆円(平成29年度)に対して、雇用者報酬が280兆円を占めています。

内閣府  平成29年度国民経済計算のポイント
内閣府  平成29年度国民経済計算のポイント

あくまで日本の事例を紹介しましたが、個人消費(=民間報酬)は、世界全体の経済活動のメインキャラクターです。

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資本収益率とは

資本収益率は、文字通りの意味で、 企業・個人が持つ資本・財産がどれだけ収益を生み出したかを数値化したものです。

株式は資本収益の分かり易い例で、10,000円の株式が1年後に12,000円になって、かつ1年間に1,000円の配当があったとすると、資本収益率は30%になります。

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資本収益率(r)>経済成長率(g)の意味

この不等式は、労働により生み出される成長よりも、資本から生み出される成長のほうが大きいということを意味します。

「21世紀の資本」は、金持ちはより金持ちになるという格差社会の拡大について、問題提起した書籍です。

世界では、上位1%人が世界の財産の半分を所有しています。

world-inequality-report 2018

トマ・ピケティの理論によると、労働による資産増加するよりも、資本による資産増加のスピードが大きいので、将来的にこの格差は大きくなっていくと見込まれています。

world-inequality-report 2018

この格差は最近始まったことではなく、はるか昔から恒常的に生じていた現象だったとのことです。まぁなんとなく察していたことではありますが。

http://piketty.pse.ens.fr/files/capital21c/en/より抜粋
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まとめ

「21世紀の資本」では貧富の格差・富の集中について問題提起していますが、逆に考えれば労働力を高めるよりも、資本による収益率を高めた方が効率がいいということです。

ちなみに、労働のように「自分の身を削る」ような資本のことを人的資本と言い、株式や預金の資本のことを金融資本といいます。

言うまでもないですが、大抵の人は年齢を重ねるにつれて、人的資本は減少していきます。「労働力(賃金)=人的資本×収益率」なので、経験や技術等で収益率を高めていかないと、個人の賃金は減少していきます。(これと相対しているのが年功序列制度です)

一方で、貯金・株式等の金融資本が増加していき、老後は人的資本よりも金融資本による収益が中心となっていきます。

もちろん経験・技術向上による人的資本の収益効率性(=賃金)を高めることは重要なのですが、金融資本の収益効率のほうが高い(という研究結果)ため、若いうちからある程度金融資本を保有していたほうが、生涯での資本収益の効率性が高くなると言えます。

結論として、あまり無駄遣いをせずお金を貯めて、かつ預貯金ではなく株式等に投資したほうが、収入としては安定するということです。

また、個人的に不思議に思うことなのですが、人的資本のほうがコストや税金が高いです。人的資本のコストの代表例が生命保険ですし、有価証券の税金は一律20%(NISA枠内ならば非課税)である一方で、累進課税は最高税額45%です。

圧倒的に資本収益に対するコスト(=税率)が低いんですよね・・・。

NISAやiDeCoをするならば、SBI証券が手数料が低くてお勧めです。

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