今年のアクチュアリー試験まであと1ヶ月。追い込み時期にすること。

アクチュアリー

11月も中盤に差し掛かり、アクチュアリー試験まで1ヶ月となりました。今年からはCBT形式になりましたので、五反田での受験ではありませんのでご注意ください。

アクチュアリー会より

また、注意事項として途中でトイレに行けなくなってしまったんですね。自分は何が何でも1時間半で一度退室して、気分を入れ替えるというルーティーンをしていたのでちょっと驚きでした。3時間退出できないのはしんどいですよね。

アクチュアリー会より

プロメトリックのホームページでもアクチュアリー試験のことが載っていました。アクチュアリー試験の場合に当てはまるか分かりませんが、CFA試験の場合、CFA協会に試験を申し込んでいたとしてもプロメトリックのほうで会場登録を行っていないと試験が受けられません。それで試験を受けられなかった人を知っているので注意してください。その人は結局、完全に7000ドル(今だと10万円以上!)を完全に棒に振ったわけです。

プロメトリック社より

会社によっては試験前に長期休暇を許してくれる職場もあるのではないでしょうか。金融だと良く聞く5日間休暇(金融機関の人は悪いことがばれるようにどこかで5営業日連続で休暇を取らなくちゃいけない法律がある)を試験前に持ってくる人もいれば、会社によっては有給休暇とは別に2~3週間の休暇を与えているところもあると聞きます。

いわゆる追い込みです。

学生から見れば「大学受験と変わんないじゃんか」と思われるかもしれませんが、日ごろ仕事が21時~22時終わって勉強なんかしている暇も体力もなく、土日は平日の体力回復に費やしてしまうことはもちろん、周りの同期から合コン行こうよ!スノボ行こうよ!という誘惑もあり、なかなか勉強が進まない中、この数週間は神様が与えてくれた時間です。

CFAの試験でも感じましたが、やはり総勉強時間が同じでも、固まった時間がないとなかなか定着しないのをひしひしと感じます。途切れ途切れだと、前やったところの思い出しから始まってしまうので、なかなか自分の理解できているところできていないところが区別できない=効率的に学習する(理解を深める・記憶を定着させる)ことができません。

自分も例に漏れず、社会人になった直後は学生の延長のような気分でいたので「あざーす」くらいの気持ちでいました。しかし、年次が上がるに連れ試験合格へのプレッシャーも上がり、かつ仕事を抜けるもうしわけなさも”それなりに”付いてきたので、「逆に休みなんかいらないよ」という気持ちになっていました。

最終的にはそのプレッシャーがうまく働いたのか試験に合格することが出来ましたが、実はその学生気分でいた1年目が一番大きな失敗をした、というのが今振り返ると(当時も「やらかした」と思いましたが)思い出されます。

結論から言うと、1年目の失敗した年は、4科目受験して1科目しか受かりませんでした。周りのできる人たちは平均して2~3科目合格していたので、いわゆるハズレの年(合格率が理不尽に低い年)ではなかったと思います。もちろん、出来ない人達は”ゼロ科目合格”でしたが。おそらく、この1科目合格が首の皮一枚繋がった瞬間でして、もしこの年に1科目も受かってなかったら、アクチュアリー試験をやり切ってなかったでしょう。

追い込みの大切さ

これを知らなかったことが1年目の失敗の最大の要因です。一番分かり易い例で言うと、浪人生よりも現役生の方が12月以降に一気に伸びる、と大学受験では言われます。

私も入社1年目は比較的残業もなく、また、試験へのモチベーションしかなかった時代ですから、入社準備や歓迎会が落ち着いた5月頃からしっかり計画を立てて平日も勉強、もちろん土日も適度に勉強をし、月50時間~80時間の勉強時間が確保できていました。5月頃からですから12月まで8か月、総勉強時間で言うと500時間はとっていたかと思います。もちろん試験前の休暇も遊んでいたわけでもなく、一日10時間は机に座っていましたら、はたから見ればそれなりに「勉強した人」認定されていました。

振り返って見れば準備万端過ぎたのでしょう。

当時は今ほど参考書がなく、過去問くらいが教科書以外の問題集でしたから

過去問10年分を3回やる。

というのが、合格への一つのベンチマークでした。

しかし、前述のようにしっかり時間をとることができたので、追い込み前にはこの「3回」という義務はこなしてしまい、試験前の追い込み時期は「とりあえず机の前に座る」とか、寝ながらでも「参考書を読む」というのが時間カウントされていきます。今考えれば勉強になっていませんが、当時の自分は「今までの貯金がある」と思っているので、それでいいと正当化してしまっていました。

以前もブログのどこかで書いたかと思いますが、私は大学受験を”ちゃんと”経験してこなかったので、勉強の仕方ということが身についていなかったのも失敗の一つの要因でした。

結果、試験には失敗します。

覚えていたと思っていたことがちゃんと覚えていなかったり、当たり前ですが過去問になかった新しい形式の問題は全くチンプンカンプン。自分にとってはそれなりに勉強してきたのに、純粋にショックでした。

大学受験はそのまま有耶無耶に過去の出来事にしてしまいましたが、資格試験は受かるか、もしくは諦めるまでは1年後に再度やってきます。ここは本当に仲間に恵まれたの一言ですが、2年目からは大きく勉強の仕方を変更しました。そしてそれは正会員になるまで、一貫して、つまり成功体験として続けることになりました。

1つ目は、飽きっぽい・余裕をすぐにかます自分の性格を理解し、勉強の開始時期を9月からにしました。これ以上前に始めると試験前まで集中力が持たないですし、5月に覚えたことなど12月には忘れてしまいます。さすがに10月となると3か月もないですから間に合いません、という理由です。

2つ目は、家で勉強することを完全に諦めました。

やはり家だと漫画に手が伸びますし、寝ます。カフェやファミレスで勉強することについて賛否両論ありますが、自分は朝カフェに行って、ちょっと昼寝して、夕方からファミレスみたいなのが土日のルーティーンになっていました。やはり他にやることがないと、不思議と「勉強するか」という気持ちなりました。

ちなみに「完全に家で勉強しない」というわけではなく、やはり直前の1~2週間となると勉強時間がありなくなります。正確には「予定していたものが足りない」というわけではなく、学習が進めば進むほど自分の足りないところが見つかって、焦りはじめます。

この現象について後々調べて腑に落ちたのが

ダニング=クルーガー効果

というもので、「能力の低い人が「実際の評価と自己評価を正しく認識できずに、誤った認識で自身を過大評価してしまうこと」と「井の中の蛙」をそれっぽく言っているだけのニュアンスに読めますが、まさに知識が付くほど一旦「あれ?ちゃんと理解していないぞ」と認識し始め、ある一線を越えてきてやっと、最初とは異なる「分かった」という感情が芽生えてきます。

CFA試験でもそうでしたが、だいたいこの「無知の知」が芽生えてくるのが試験日1週間~2週間前でして、この状況に陥ると

やばい。やばい。やばい。やばい。

の感情しかなく、睡眠時間が5時間、4時間、3時間と減っていきます。さすがにこんな睡眠時間がずっとでは体力が持たないので、このラストスパートが2週間というのは自分にとっても短すぎず長すぎずという感覚です。毎回やる度に寿命が短くなった気がするので、2度とやりたくはないと思うのですが。

3つ目の勉強の仕方は、2つ目の話の中に混ざってしまいましたが、余裕をかます暇も持たず、「十分やっただろう」と受かってもいないのに勝手に線を引かず、慢心するなという精神論です。笑

先ほどの浪人生と現役生の話に近いのですが(ほんとに効果が異なるのかは知りませんが)、本当に1年前からどれだけ準備を整えて勉強してこようが、ラストの2~3週間(自分は2週間が限界)の追い込みの効果は計り知れないほど大きいです。感覚的に学習進度が1.2~1.3倍になるイメージです。試験直前なので暗記モノを覚えていられるのか、今まで蓄積したものの複合的な化学反応(点と点が線で結ばれる)が起きるタイミングがここなのか、なかなか言葉にできない感覚ですが、とても重要ですし、私の場合それが他の資格試験はもちろん、仕事(重要なプレゼンとか何か成果物を出すときとか)にも役に立っています。

念のため申し上げておくと、何もしないでゼロベースで追い込みかけてもそれは意味がなく、しっかり素地があったうえでの追い込みです。もちろん、体力的に精神的にもとてもしんどいので、他人には絶対に強要しないです。(おそらく自発的なものでないと、自分の頭の整理・発展に繋がらないので、効果的な追い込みにならないと思っています。)

というわけで、体調に気を付けて、試験直前まで走り切ってください。

ちなみにこの記事のサムネイルは「ソクラテスの死」というタイトルで「無知の知」で有名なソクラテスに掛けてみました。

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