ブログのタイトルでもあるCIIA(国際公認投資アナリスト)についてご紹介します。
CIIA(国際公認投資アナリスト)とは
日本での資格試験を運営している日本証券アナリスト協会によると、”国際的に認められた証券アナリスト資格“とのこと。
CIIA®(Certified International Investment Analyst、国際公認投資アナリスト®)は、国際的に認められた証券アナリスト資格です(®は登録商標(Registered Trademark)済みの表示です)。CIIA®試験は各国の資本市場の多様性を尊重しつつ、国際的に通用する証券アナリストを育成することを目的に、ACIIA®(Association of Certified International Investment Analysts : CIIA®を管理・運営する目的で2000年6月に設立された非営利法人)によって運営・管理されています。”
日本証券アナリスト協会HPより
受験の申し込みをすると送られてくる教材にはもう少し具体的に書いてありまして、要は「欧州・アジア・南米の証券アナリスト間で共通の基準を作って認定している」そうです。
教育・試験プログラムについては、世界各国の専門家からのインプットを整理・集約して共通部分を構築するアプローチが採用され、2001年3月以来試験を実施しています。
会員数は世界23ヶ国で約1万人となっており、日本の会員が3割、残り7割が欧州・アジアの会員だそうです。
受験資格と試験科目
受験資格は、証券アナリストの2次試験まで合格して、例のごとく登録料(5年間有効)が必要です。
試験自体は、2科目(単位というらしいですが)あって
・第1単位(3時間:コーポレート・ファイナンス、経済、財務分析、株式分析)
・第2単位(3時間:債券分析、デリバティブ分析、ポートフォリオ・マネジメント)
試験を受けるための費用は
・登録料(「学習教材」含む): 36,000円 (5年間有効)
・受験料:2単位合計で 25,700円
https://www.saa.or.jp/cma_program/ciia/seido/tab01.html
国際資格ということで英語での解答を求められそうですが、現在は(2019年3月)英語と・日本語いずれか選べます。ちなみに私の受験時(2019年3月)には英語での受験者はいませんでした。
証券アナリスト2次試験との関係
試験も申し込むと送付されてくる「CIIAスタディ・ガイド」には、証券アナリスト2次試験との関係について以下のように記載されています。
CIIA試験のシラバスを見ると、大部分がCMA(証券アナリスト)プログラムと内容が重複しています。また、これまでの試験問題を見ても、基本的にCMA第2次レベル試験の範囲がマスターできていれば十分に対応可能であるといえます。ただし、CMA第2次レベル試験に合格した人でも、次のような点に注意が必要です。
第1に毎回の試験問題は複数の国々から寄せられた候補問題の中から選定されます。したがって、CMA試験では見られないような場面設定に基づく問題や異なった観点からの出題が含まれることになります。その意味で、CMA第2次レベル試験の受験経験のみでは十分に対応できない試験になっていると言えます。(略)
第2にCIIA試験は受験者の記憶力や計算力ではなく、理論の柔軟な理解と実務的な応用力、判断力、論理展開力を求めるものとなっているため、出題は事例問題となっています。
第3にCMA第2次レベル試験と比較し問題数が少なくなっている分、各設問への配点が大きくなっています。特定の分野に関する知識の欠如が大きな失点につながる可能性があり、(略)全分野をまんべんなく学習する必要があります。
CIIAスタディ・ガイドブックより
補足すると、第1の「CIIA独特の問題」の例としては、コーポレートファイナンス全般の出題、IS-LM分析の開放経済への拡張やAD-ASモデルとの組み合わせ(良く出ます)、ブラックショールズモデルやヘッジ手法を具体的数値を使って考える問題でしょうか。
具体的な国(イタリアとかオーストラリア)の実態を前提として、IS-LM分析させる問題が出ます。CMAだと架空の閉鎖経済の出題が多いですが。あとは、ブラックショールズモデルに数値を代入してオプションの価格やヘッジコストを計算させる問題が出ます。
第2の「受験者の記憶力や計算力」についての補足ですが、本番では公式集の持ち込みが可能です。本番当日に新しい公式集が配られるので、事前にいろいろ自前の公式集にメモを入れて行っても無駄になるので、気を付けてください。
また、出番はあまりない(たまにあるから困る)のですが、関数電卓が必須です。