2022年に入ってから下がり続ける株価。かろうじて、円安の影響で「なかったこと」になっていますが、ドルベースでみると悲しい気持ちになってしまいます。
そんな中、私が良く参考しているファンドストラッド(fundstrat)社のトム・リー氏が強気なコメントしていました。
トム・リー氏のコメントは、2021年ごろから参考にさせていただいてます。特にコロナショックからの立ち上がりが1年間続き、巷では「さすがにバブルだろ」「第●派が来る」と悲観的な言葉ばかり飛び交っていました。
そのような中、強気なコメントを出し続けていたのが、トム・リー氏でした。(当時シーゲル教授も強気なコメントでしたが、すぐ弱気なコメントに変化していたので。)
「投資家は楽観的であれ」という格言もあれば、トム・リーもセルサイドの人なので「株が上がる」と言わなければ商売にならないというポジショントークはあるかと思うのですが、他の証券会社も同じです。
ゴールドマンサックスやJPモルガンも、上がると言っていたと思えば、少しでも悪い局面になると「ブラックマンデーの再来だ。」「ハリケーンがやってくる。」など、すぐに平を返します。(ストラテジストやCEO、CIOがそれぞれ発言するので、見通しを統一できないのはしょうがないんですかね。)
そういった意味ではトム・リーはトム・リーの発言として統一されていますし、「ここはこうだ」とはっきり表現します。今回のように年末のS&P500の数字や、具体的に●%上昇すると示します。
また、基本は長期目線だからでしょうか。あまり「今は最悪だ。」「下落する。」というネガティブな言葉を使いません。「耐える時」「手を出さない方がいい。」という表現をするイメージです。一方で、他の運用会社は、やはりアルファ目線なのか「これから下落する」「まだ底じゃない」と短期目線の発言が多い印象です。
さて、本題に戻りますが、Leeはそろそろインフレが落ち着くと見ており、そうすると1982年頃のように急激に株価が上がると見ているようです。
During Volcker’s war on inflation, equities bottomed on August 1982. This is two months before Volcker abandoned ‘anti-inflation’ measures. More importantly, stocks recovered the entire 36 month bear market loss in 4 months.
ボルカ―のインフレ政策のとき、株価は 1982年8月に底を打った。これは、Volcker が「反インフレ」対策を放棄する2か月前のことだ。さらに重要なことに、株価は36か月のベア マーケットの損失を4か月で回復した。
インフレによる企業業績悪化も懸念材料の一つでしたが、先日発表されたGAFAMの決算結果が、インフレへの適応能力に関する投資家の心配を払しょくした、と言っています。
Results from mega-cap tech behemoths Alphabet, Microsoft, Amazon, and Apple all eased investor concerns about the resilience of their growth and their ability to manage inflation
結果として、年末までにS&P500が4800以上(現在の最高値は4800)まで上昇する可能性がある、としています。
In 2022, this means stocks could see new highs before YE. That is why we think [the] S&P 500 could be above 4,800 before year-end.
念のため説明しておくと、今年の初めごろのトム・リーの2022年末予想は5100でしたので、当時は予想できなかったロシア・ウクライナ戦争が発生したりしましたので、これでも少し控えめな予想になったのかと思います。