2026年もいよいよ終盤に入り、残すところあと四半期となりました。今のところ年初来で12%と素晴らしいパフォーマンスでS&P500が推移しています。

そんな中、米国市場で強気派として知られるFundstrat Global Advisorsのトム・リー氏が、年末に向けて改めて強気の見方を示しています。結論から言えば、リー氏の現在の見方は、「S&P500は年末8,000を目指す」ということに加え、
「8,200を超える可能性も十分にある」
というものです。8200を着地とすると、足元7722ですから約6%の上昇です。なお、リー氏は当初、2026年末のS&P500を7,700と予想していました。

ところが6月、米国企業の強い利益成長と株式市場の底堅さを理由に、年末目標を7,700から8,000へ引き上げました。さらに、その後の市場環境を受けて、リー氏の発言は一段と強気になっています。
リー氏の強気論の中心にあるのは、何といっても
企業利益の強さ
です。
株価は短期的には金利やニュース、投資家心理によって大きく動きます。しかし、中長期的には企業がどれだけ利益を稼ぐことができるかが株価を決めます。2026年のS&P500企業の利益は非常に強い伸びが予想されており、Reutersによれば、2026年の利益成長率は約35%と見込まれています。これは2021年以来の高い伸びです。
特に大きいのがAI関連投資です。NVIDIAをはじめとする半導体企業だけでなく、データセンター、電力、ネットワーク、半導体製造装置など、AI投資が広範囲の企業の利益を押し上げています。
リー氏は、この利益成長がまだ終わっていないと考えています。現在の米国株市場では、「AI関連株は割高ではないか」という懸念も強くなっている一方で、S&P500の予想PERは年初の22倍程度から19倍台まで低下しており、株価の上昇に対してバリュエーションはむしろ調整しています。
ここがリー氏の強気論の根源であり、単純に「株価が上がるから上がる」と考えているわけではありません。企業利益が大きく伸びることで、現在の株価水準を正当化できるという考え方です。
そして、リー氏が注目しているのが第4四半期です。

リー氏は9月以降、第4四半期の株式市場について非常に強気な発言を繰り返しています。9月には、2026年第4四半期について「生涯でも最大級のラリーになる可能性がある」との趣旨の発言をしています。また、10月1日にはFundstrat自身も、S&P500を「coiled spring(ばねを巻いた状態)」と表現し、弱いインフレ・雇用関連データなどをきっかけに市場が再び上昇する可能性を指摘しています。
リー氏は、9月16日の記事の中では、第4四半期は非常に大きなラリーになる可能性があり、それが2027年にも続くという見方をしています。さらに、
「one of the biggest rallies of our lifetime」
という表現を使っています。
なお、同じ米国株強気派として知られるYardeni Researchは、年末S&P500目標を、従来の8400から7900に引き下げました。ヤルデニ氏が弱気方向に修正した最大の理由が米国長期金利です。ヤルデニ氏はS&P500の年末フォワードPERについて、「19.8倍 → 18.6倍」へ引き下げています。一方で、2027年のS&P500 EPS予想は、425ドルを維持しています。
つまり、利益は強いが、金利上昇によって市場が許容するPERは低下するというものです。
別の記事では、リー氏が2026年通期のS&P500のEPSを約400ドルと見ていることが紹介されています。EPS=400ドルとして、S&P500=8,200なら、PERは20.5倍です。つまりリー氏の8,200という予想は、ざっくり言えば、「2026年EPS約400ドル × 約20.5倍」という株価水準になります。
最後にリー氏が注目しているのは、S&P500の第2四半期(Q2)と第3四半期(Q3)の値動きの組み合わせです。
具体的には、
・Q2にS&P500が約14%以上上昇
・その後のQ3もプラスで終了
という条件です。
2026年はまさにこの条件を満たしました。
Q2:+14.87%(6月30日:7,499.36)
Q3:+2.03%(9月30日:7,651.54)
これは「Q2で14%以上上昇し、Q3もプラスになった」という過去に非常に珍しいパターンが、2026年にも発生したということです。1935年以降、この条件を満たしたケースは過去6回しかありません。
そして驚くべきことに、6回すべてで、
その後のQ4のS&P500はプラス
になりました。これが「Flawless Historical Track Record」(完璧な過去実績) です。
| 年 | Q2 | Q3 | Q4 |
|---|---|---|---|
| 2020年 | +19.95% | +8.47% | +11.69% |
| 2009年 | +15.22% | +14.98% | +5.49% |
| 2003年 | +14.89% | +2.20% | +11.64% |
| 1997年 | +16.91% | +7.02% | +2.44% |
| 1938年 | +36.00% | +5.88% | +7.92% |
| 1935年 | +20.78% | +13.29% | +15.88% |
単にプラスだっただけではありません。過去6回のQ4リターンは、平均すると約9%の上昇でした。
さて、あと3か月ですがどのような2026年になるのか。

