米国債券が注目されています。様々な証券会社で利回りの高くなった米国債券(国債・社債含む)を勧める記事を出しています。
自分自身も2023年の真ん中あたりから、細々と米国債券を買い続けています。
金利が下がると1年ほど前から予想しておりましたが、トランプ大統領の再任もあって
金利下がる下がる詐欺
にあっています。
債券は株式と違って「償還」という概念がありますので、金利上昇で価値(=時価)が下がっても
満期まで持っていれば
償還価格で返ってきますので、気持ちの中である程度時価ブレを無視することができます。(無視というより許容できるという表現のほうが正しいでしょうか。)
そのため、株式とインデックス投資の場合、延々と投資し続けることについてはあまり大きな違いはないのですが、債券の場合、現物とインデックス投資では大きく特性が異なることに留意です。
一方で、株式を同じように現物で購入する場合、手数料が明確になっています。ネット証券の場合、1回の売買で最大2000円だったりします。(為替売買手数料除く)
SBI証券米国株式現物取引(2025年1月時点)
約定代金の0.45%(税込0.495%)
- 最低手数料:0ドル
- 上限手数料:20ドル(税込22ドル)
一方で、債券の場合は不明瞭です。債券の場合、売買手数料が含まれた状態での価格しか表示されていませんので、実際どの程度「抜かれている」か分かりません。
株式は基本取引所取引なので「●月●日のソフトバンクの株価は●円」と現物そのものの取引価格が世の中一般的に開示されている一方、債券は相対取引なので取引価格が公開されていないため、このような状況になっているのかと思います。
過去に売値価格と購入価格から売買手数料を推測したことがありましたが、片道(売りか購入のいずれか1回)で1.5%~2%という予想を出しました。前述の株式が0.5%程度の一方で、債券が1%以上というのはかなり乖離があるような気がしますし、手数料が見えないことをいいことに、いいようにされているような気がします。
さて、今回、ChatGPTで債券価格が分かるという噂を聞きまして、実際にやってみました。例えば、SBI証券で三菱UFJフィナンシャルグループのドル建社債を購入しようとすると、以下のような情報の中で購入することになります。
SBI証券(2025/1/19時点)
さすがに有名なAIでも「三菱UFJ ドル建て 満期●年●月●日」だけだと反応しなく、債券の統一コードであるISINコードを探す必要が出てきました。実は証券会社の画面ではISINコードは表示されていなく、結果として三菱UFJのホームページに行って探してきました。今回は2から二つ目の社債(利率4.153%、満期2039/3/7)のISINコードを特定しました。なお、あくまで利率・満期・発行日が同じものを探しただけですので、確実のこの社債のISINコードが「US60822BE37」とは言えないのですが・・・。
それでは早速ISINコードをChatGPTに入力してみました。
価格が出ないことに加え、そもそも債券の種類も違う、ということでうまく回答してくれませんでした。しかし、同様にいくつかの債券を検索するうちに、とあるサイトに誘導されました。
このサイトでは債券価格に加え、価格推移も出してくれていまして、結果としてこのサイトで価格が分かりました。先ほどの三菱UFJの債券価格は90.1ドルで取引されていることが分かりました。(2025/1/17時点)
ちなみに、SBI証券のほかに同じ三菱UFJ社債の価格を出しているところで、JTG証券という証券会社がありました。
さて、ここまでの価格をまとめると以下の通りです。
市場価格:90.1
SBI証券:91.57(+1.47)
JTG証券:92.648(+2.548)
「市場価格<販売価格」となっており、この差額(スプレッド)が手数料だと考えると、各々の証券会社の手数料は以下の通りです。
SBI証券:1.6%
JTG証券:2.8%
SBI証券は過去に検証した水準になりました。JTG証券はほぼ3%という水準になりました。ネット証券ではなく、対面の証券会社の場合、株式の売買でも販売手数料として片道3%~5%取ると聞いているので、債券もこの水準と言われればしょうがないのかと思います。もちろん債券を現物で買えば、ランニングでかかる運用手数料はかかりませんし、償還まで持っていれば手数料はかかりませんでした。(少なくともSBI証券では)
ChatGPTではないですが、とりあえず債券価格が分かる手段を手に入れたので、引き続き手数料についてはウォッチしていきたいと思います。