注目のFOMCは金融緩和維持で無事通過。

市場環境

4月28日はFOMCの結果発表とアップルの決算発表が重なる、重要な一日となりました。

アップルの決算(2021年1~3月期決算)は売上高が前年同期比54%増の895億8400万ドル(約9兆7000億円)、最終損益が2.1倍の236億3000万ドルとなりました。

アナリストのEPS予想は0.99ドル(売上高774億ドルで)でしたが、結果EPSは1.40ドルとなりました。合わせて、7%の増配、900億ドル規模の自社株買いも発表しました。

2020年秋に発売した高速通信規格「5G」対応スマートフォン「iPhone 12」シリーズがけん引し、9年ぶりに売上高の伸び率が50%を超えたそうです。

CNBCより

さて、個別銘柄はさておき、4月中旬あたりから決算の様子見なのか、それともFOMCの様子見なのか、調整相場が半月ほど続いていました。

前回「パンデミックが”重大なリスク”をもたらしている」とした声明から、「経済見通しへのリスクは残っている」と上向きに表現を修正しましたが、FF金利の誘導目標(0~0.25%)の据置き、2020年3月に再開した量的緩和政策(米国債月800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)同400億ドルの買入れ)等の金融政策の維持を、全会一致で決定しました。

The sectors most adversely affected by the pandemic remain weak but have shown improvement. Inflation has risen, largely reflecting transitory factors. Overall financial conditions remain accommodative, in part reflecting policy measures to support the economy and the flow of credit to U.S. households and businesses.

FOMC StatementyoriFederal Reserve issues FOMC statement(2021/4/28)
Federal Reserve issues FOMC statement
The Federal Reserve is committed to using its full range of tools to support the U.S. economy in this challenging time, ...

記者会見でゲームストップ株の乱高下などの市場のバブル感に関しての問いについて「株式市場のフロス(小さな泡)を映している」と相場の過熱を示す言葉を使いました。グリーンスパン元FRB議長が2000年代半ばに米住宅市場について同様の言及しました。

市場見通しについて、パウエル議長は足元の物価上昇についても「一時的」と繰り返し、経済の回復ペースについては、予想されていたより速いものの、「引き続きばらつきが見られ、完了からは程遠い」と指摘。経済には「われわれの目標達成まで長い道のりが残されている」と述べました。

FRBビュー」という言葉があるそうで、バブルであるかは事後的にしかわからないため、事前にバブルを潰しにいかず、崩壊したときに事後的に対応すればいいという姿勢を示す言葉です。バブルを事前に防ごうとする「国際決済銀行(BIS)ビュー」と対照的な考え方だそうです。

先進国ではすでにカナダの中央銀行が4月、資産購入の減額を決めており、ブルームバーグのエコノミスト調査によれば米経済は今年、約30年ぶりの速いペースで成長する見通しです。また金融当局は今年10-12月(第4四半期)に債券購入のテーパリング(段階的縮小)を発表すると見込まれています。

FOMC、景気の現状認識を上方修正-政策金利はゼロ付近で維持
米連邦公開市場委員会(FOMC)は27、28両日に開催した定例会合で、景気の現状認識を上方修正した。一方で、まだ現行の金融緩和策の縮小を検討する段階ではないとの姿勢も示した。
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