S&P500指数が5月2日まで9営業日連続で上昇し2004年以来の最長連騰となりました。4月2日のトランプ大統領による相互関税発表前の水準まで回復しました。一方で2月19日に記録した最高値である6144にはまだ9%程度足りません。

そのような中、Fundstratのトム・リー氏は、S&P500が2025年中に過去最高値を更新する可能性があると5月5日のCNBCで発言しています。
理由の一つは、企業がショックを乗り越えてきた実績があるにもかかわらず、投資家が十分な評価をしていないことだそうです。
まさにそれがコロナ禍時に起こり、結果として企業は生き残りました。加えて、企業はインフレの急上昇やFRBによる史上最速の利上げも乗り越えました。ですから、今回の関税ショックは衝撃的ではありますが、収益は予想を上回ると予想しています。それが一つの要因でしょう。
そして、テスラ、マグ7、ビットコインなど、株価を下落させていた要因は回復し始めています。実際、ビットコインは4月2日の水準を上回っています。つまり、ビットコインはS&P500が近い将来5,800水準に向けて回復する兆しを示していると私は考えています。そして、ここからはまだ上昇の余地があります。

リー氏はまた、米国のインフレデータはFRBが遅かれ早かれ利下げに着手する可能性を示唆しており、市場流動性が高まるだろうと述べています。
FRBは政策金利を据え置き、関税発動を待っていると言っている。しかし興味深いのは、関税によるインフレがヨーロッパを襲っている、あるいは間もなく襲い掛かるにもかかわらず、ECB(欧州中央銀行)が利下げを続けていることだ。その理由は、欧州中央銀行のインフレ指標であるHICP(消費者物価指数)が住宅価格を除外しているからだ。
FRBが住宅価格をコアインフレ率の計算から除外した場合、現在のインフレ率はヨーロッパよりも低くなるそうです。
また、タイムリーな話題としてウォーレン・バフェット氏が、5月3日に開催されたバークシャー・ハサウェイの年次株主総会において、同年末をもってCEOを退任する意向を発表しました。94歳のバフェット氏は、60年以上にわたり同社を率いてきましたが、後任としてグレッグ・アベル副会長を指名することを取締役会に提案する予定です。
当時注目されたのが、現金同等物に米短期債の保有額をあわせた、3476億8100万ドルのキャッシュポジションです。1年前と比較して2倍近くになっています。

株主総会でバフェット氏は「それほど前のことではないが、100億ドル規模の投資を決断する寸前までいった」と、詳細は避けながら大型の投資機会を検討したことを明かしました。
関税問題についても「貿易を武器として使うことはあってはならない」と述べ、貿易不均衡の是正に向けて貿易戦争を仕掛けるトランプ米政権の取り組みを批判しました。「(米国外の)75億人に嫌われ(米国内の)3億人が米国の繁栄に不満を抱いているとしたら、正しいことだとは思わない」とのコメントも残しました。
Trade should not be a weapon,I do think that the more prosperous the rest of the world becomes, it won’t be at our expense, the more prosperous we’ll become, and the safer we’ll feel, and your children will feel someday.
It’s a big mistake, in my view, when you have seven and a half billion people that don’t like you very well, and you got 300 million that are crowing in some way about how well they’ve done – I don’t think it’s right, and I don’t think it’s wise,” Buffett said. “The United States won. I mean, we have become an incredibly important country, starting from nothing 250 years ago. There’s not been anything like it.
貿易は武器であってはならない。世界の他の国々がより豊かになればなるほど、私たちが犠牲になることはなく、私たちもより豊かになり、より安全だと感じ、いつか皆さんの子供たちもそう感じるようになると私は考えている。
75億人がアメリカをあまり好きではないのに、3億人が自分たちの成功を誇示しているというのは、私の見解では大きな間違いだ。正しいとは思わないし、賢明なことでもない。アメリカは勝利した。250年前に何もなかったところからスタートし、信じられないほど重要な国になった。これほど素晴らしい国は他にはない。