いろいろ投資先を探していると、外貨預金が目に入ります。
株や債券だと、どうしても値下がりリスクが気になりますよね。一方で「預金」という名前が付いていることから、リスクないとは言わずとも、リスクは小さそうに思えますよね。
加えて金利が高い!日本の定期預金の金利は0.01%。一万円預けても、1年後に1円しか増えません・・・
なぜ外貨預金は金利が高いのか
なぜ日本の預金の金利に比べて、外貨預金の金利が高いのでしょうか。
それは、その国の金利水準が違うからです。預金を預かっている銀行は、その大部分のお金を国債で運用することが一般的です。ですので、国債の利回りに大きく左右されます。
日本やドイツはほとんど0%ですが、米国は2~3%の水準です。
ですので、預金を外貨に換えて、金利の高い国に投資すれば安定的に利回りが稼げるというスキームです。南アフリカなんかは、年利40%です。
外貨預金にリスクはないのか
預金という名前の上に、5%近い利回りが付くのは魅力的ですね。
リスクはないのでしょうか?
やはり、そんな甘い話はなくて、基本的には為替変動リスクが付きまといます。例えば1ドル100円ときに、1万円の外貨預金をしたとします。そうするとドル建てで、100ドルの預金になります。金利が5%付いたとすると、1年後に105ドルになります。
しかし、このとき1ドル90円(円高)になっていた場合、円換算で9,450円です。もともと1万円あったのに、500円近く下がってしまっていますね。
これが為替変動リスクです。これに加えて、円→外貨・外貨→円に変換する際の手数料もかかるので注意です。
為替変動リスクはどれくらい
毎年海外旅行へ行っている人ならば、なんとなく分かるかと思いますが、為替の変動がどの程度が思い浮かぶでしょうか。
為替は、基本的に何もリターンを生まない「投機的なリスク」なので、投資の世界ではあまりとらない方が良いと言われています。
過去15年間の為替レートをグラフにてみました。
GBPはイギリスポンド、AUDはオーストラリアドル、NZDはニュージーランドドル、ZARは南アフリカランドで、外貨預金でよく見る組み合わせです。
外貨1単位(1ドル・1ユーロ等)を買うのに必要な値段(円)です。グラフ下方向が円高・上方向が円安です。ポンドはEU離脱問題が始まってから、円高(=ポンド安)になりました。
数字で見てみると、リスク(変動割合)が年率3%程度あります。南アフリカランドは8%以上の変動リスクがあり、相対的にリスクが大きいですね。
まとめ
結果として、外貨預金にも 為替変動というリスクがあります。
これに加えて為替手数料もかかるので、外貨預金される際は全体のリスクをしっかり調べたうえで行ってください。ペイオフとの関係や課税方法も複雑そう・・・
今は(2019年8月現在)、世界経済の減速懸念から、各国で政策金利の引き下げを行っています。政策金利を引き下げると、相対的に円高になりますので、この先1年~2年は外貨預金は難しいかなぁと個人的には考えています。