外国株投資家には円高はきつい。為替リスクヘッジの話。

金融知識
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米国の政策金利の低下や米中貿易戦争によるリスク回避の動きから、円高になっていますね。

今年(2019年)に入ってから110円ほどで推移していたのが、8月に入り105円まで円高になりました。

米ドル5年の推移

外国の資産に投資をしている人にとっては円高は、相対的に円換算で評価が下がるので天敵です。

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なぜ円高は天敵なのか

円高になると海外資産の評価(円ベース)が下がってしまいます。

例えば1ドル100円で外国の株式を購入していた場合、ドルベースでは株式の評価が変わらなくても(1ドルのまま)90円/ドルまで為替レートが円高になってしまうと、株式の価値は90円になってしまいます。

一方で、為替はその時々の通貨の需要と供給により決まるもので、長期的にはプラスマイナスゼロ(ゼロサムゲーム)になるという考え方が基本です。

株式投資と違ってFXを考えてみる、FXをしている方は通貨の成長を期待しているわけではなく、あくまで上下の変動幅の中で利ザヤを取っています。

為替変動はゼロサムゲームで、いわゆる成長に期待してリターンを得る「投資」ではないため、基本的に取るリスクではないと言われています。

ただ、費用もなしにリスクをゼロにできるといううまい話はなく、多少手数料のようなものがかかりますが為替のリスクをゼロ(ヘッジ) にする 「為替ヘッジ」というものがあります。

実務としては通貨の先物を利用して、為替の変動分を相殺するようなポジションをとります。

今後の世界経済がどうなるかわからない=安全資産である円にお金が集まる=円高になる、という見込みの中で、世界最大のGPIFも為替リスクのヘッジを検討しているようです。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が外国債券での資金運用で、為替相場の変動に伴う損失を回避(ヘッジ)する取引を始めたことが分かった。対象は米ドルとユーロ建て債券で、3月末時点の残高は約1兆3千億円に上る。市場の「クジラ」と呼ばれる巨大な機関投資家が同取引を大幅に増やすことになれば、為替相場に影響を及ぼす可能性がある。

日本経済新聞 7/28

160兆円のうち、17%を占める外国債券が対象で、まずは外国債券の5%にあたる1兆円ほどから為替ヘッジ取引を始めるとのことです。

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為替ヘッジの効果

GPIFのような大きな機関投資家だけでなく、一般の投資家でも為替ヘッジの取引をすることは可能です。

投資信託でも為替ヘッジしていないいわゆる「為替オープン」という運用商品と、「為替ヘッジ」が付いた商品があります。

野村インデックスファンド ホームページ

それではどれくらいパフォーマンスが違うのでしょうか。

外国株式(MSCI-KOKUSAI追随)と外国債券(FTSE世界国債追随)のパッシブ運用の商品で比較したいと思います。外国株式は野村インデックスファンド(Fund-i)、三井住友TAM- SMTグローバル債券インデックスの為替ヘッジ有無を比較しました。

2014/8/1-2019/7/31 2014/8/1を100として表示

念のため為替レートを確認しておくと、まぁ概ね横ばい(現在105円)というところでしょうか。

5年前(2014/8/1)→104円
3年前(2016/8/1)→100円

現在と同水準のレートだった5年前(104円)から比較すると、株式・債券ともリターンはそれぞれ年率8%と1.5%と、ヘッジの有無で大きく変わりませんでした。

一方で、リスク(リターンのぶれ)に注目です。為替ヘッジがあったほうが、明らかにリスクが小さいことが分かります。債券は7.8%が3.2%、株式も16.7%から11.8%に低下します。

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最後に

特に債券の場合、株式と比べてリターンが小さいです。 その分、株式よりリスクも小さいです。しかし為替の変動が大きいため、リスク・リターン効率が悪くなってしまいます。

しかし、為替ヘッジはヘッジコストがかかるため、中長期的に影響がゼロの場合、コスト分だけパフォーマンスが悪くなります。(とはいえ、上記はコスト控除後の比較ですので、リスクは下がります。)

そのため、そのうちまた為替水準は元に戻るだろうとか、この先5年は円高かな、という投資家の為替リスクに対する考え方で、為替ヘッジをつけるかどうか判断が分かれます。

GPIFや事業法人のように定期的に報告が求められる運用機関・会社は、為替の変動がダイレクトに業績に影響を与えるため、ヘッジしている場合が多いのではないでしょうか。

外国株式の場合、株式自体のリスクが大きいため、あまりヘッジコスト対比の効果が小さいため、為替オープンで保有することが多いです。

ちなみに私は超長期的に円安になるだろうという考えと、将来的にはドルベースでの取引がどこでもできるのではないかということで、ほとんど為替ヘッジしていません。(一部勉強のため為替ヘッジを取り入れていますが)

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