2023年2月に、バークシャーハサウェイ社のウォーレン・バフェット氏から株主への手紙が公開されました。毎年、ステークホルダー向けに出しているレポートの中に記載してあります。
https://www.berkshirehathaway.com/2022ar/2022ar.pdf
債券も株もともに下落する難しい局面の中、ウォーレン・バフェット氏はどんな言葉を残したのでしょうか。いくつか印象的な言葉を拾っていきたいと思います。
1965年から2022年にかけての約60年間、S&P500は約10%で成長してきた（それでも大きいですが）一方、パークシャーは年20%近いリターンを上げてきました。
バフェット氏はそれを「まぁまぁ（so-so）」と謙遜しながらも、うまくいったのは5年に1回ということで長期投資の有効性を説き、「バークシャーのような長期投資家に有利な、忘れられがちな利点です。」と締めくくっています。
At this point, a report card from me is appropriate: In 58 years of Berkshire management,most of my capital-allocation decisions have been no better than so-so. In some cases, also, bad moves by me have been rescued by very large doses of luck. (Remember our escapes from near-disasters at USAir and Salomon? I certainly do.)
バークシャーの経営に携わってきた58年間、私の資本配分の判断は、ほとんどが「まあまあ」でした。また、場合によっては、私の悪あがきは、非常に大きな幸運によって救われたこともあります。(USAエアーやソロモンの危機を脱したことを覚えてますか？確かにそうですね)。
私たちの満足のいく結果は、約12の本当に良い決断の産物でした。つまり、5年に1回くらいです。
「チャーリーと私は、ほとんど同じことを考えています。しかし、私が1ページかけて説明することを、彼は一文で要約します。しかも、彼の言葉はいつもより明確な理由づけをし、より巧妙に、より大胆に表現しています。」という書き出しから、相棒であるチャーリー・マンガーの言葉を引用しています。（印象に残ったものを抜粋）
・世の中には愚かなギャンブラーがたくさんいて、彼らは辛抱強い投資家ほどにはうまくいかない。（The world is full of foolish gamblers, and they will not do as well as the patient investor.）
・ベン・グレアムは、「日々の株式市場は投票機であり、長期的には計量器である」と言った。（Ben Graham said, “Day to day, the stock market is a voting machine; in the long term it’s a weighing machine.” If you keep making something more valuable, then some wise person is going to notice it and start buying）
・投資において100％確実なものはない。したがって、レバレッジの使用は危険である。素晴らしい数字の羅列にゼロをかけると、必ずゼロになる。一攫千金を期待しないことだ。
二兎を追うものは一兎をも得ず、である。（There is no such thing as a 100% sure thing when investing. Thus, the use of leverage is dangerous. A string of wonderful numbers times zero will always equal zero. Don’t count on getting rich twice.）
「目先の経済や相場の予想は役に立たないに等しい」とみるバフェット氏は景気予測めいたものはしないようです。ただ、米国経済のしなやかさ、懐の深さには絶大な信頼を置いており、今回の手紙にも「私たちは米国の追い風を頼りにしており、時折その風が弱まることはあっても推進力は常に戻ってくる」と記しています。
most important of all – the American Tailwind. America would have done fine without Berkshire. The reverse is not true.
