ウォーレン・バフェットの動きから今後の相場を考える。

市場環境
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新聞等に日頃目を通されている方にとっては「知ってるよ」という話ばかりですが、いろいろ記事がでていたので、まとめておこうと思います。

ウォーレン・バフェットといえば、「オハマの賢人」と言われ、世界長者番付トップ10に30年以上も君臨する「世界有数の大富豪」です。米国の投資会社であるバークシャー・ハサウェイの「経営者」であり、バークシャー・ハサウェイはAppleの株を約6%も保有しています。

バークシャー・ハサウェイ自体はあまり聞かない会社でありますが、日本最大の時価総額であるトヨタ自動車(約20兆円)より大きい企業です。

そんなバークシャー・ハサウェイの四半期報告書が2020年8月14日に公表され、いろいろと物議を醸しています。特に、1951年8月30日生まれで、今月の末には90歳を迎えるウォーレンバフェットの終活の動向も現れるのではないかと、世間の注目も高まっています。

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米銀株の保有減

バークシャー・ハザウェイが、JPモルガン・チェース株を一部売却したほか、ゴールドマン・サックスの保有もゼロにしたことが分かりました。ゴールドマン・サックスの持ち分は、5月15日の開示資料で1-3月(第1四半期)に84%減らしていましたが、今回さらに減らしました。

バークシャーは6月末時点の保有状況を、米証券取引委員会(SEC)に提出した書類を通じて明らかにした。JPモルガン株は保有の一部にあたる3550万株分を手放した。米調査会社ファクトセットによると、発行済み株式数に占めるバークシャーの持ち分比率は3月末時点で1.9%だった。今回の売却で0.7%程度に低下したとみられる。ウェルズ・ファーゴやPNCファイナンシャル株の一部売却も明らかになった。

日本経済新聞2020/8/15より

バフェット氏は2008年の金融危機時に、50億ドル相当の優先株を購入したほか、普通株に転換できるワラント(新株予約権)を取得し、ゴールドマンサックスを助けた過去があります。13年に転換権を行使して普通株を取得し、大株主となっていました。

米銀株はかつて、バフェット氏の「お気に入り」として知られており、米経済の将来に「強気」で、その恩恵を最も受ける米銀株を好んでいました。ただし、5月の年次株主総会では新型コロナウイルスの収束時期が見えないとして、景気の先行きに慎重な見方を示していた。米連邦準備理事会(FRB)によるゼロ金利政策で融資の「利ざや」が縮小していることも、投資判断に影響した可能性があります。

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自社株買い

従来から「株主還元よりも投資に使いたい」という姿勢を示してきたバフェット氏ですが、同社の自社株買いに51億ドル(約5406億円)を使ったことが判明しました。

従来は否定的だった自社株買いに50億ドル(約5250億円)を費やした。米調査会社ファクトセットによると、直近までの最高額は19年10~12月期に実施した20億ドルだった。バフェット氏は長年、「株主還元よりも投資に使いたい」と主張してきたが、18年以降は方針を転換し、徐々に自社株買いを増やしてきた。

日本経済新聞2020/8/10より

ソフトバンクの孫さんは、よく株主還元の手段として自社株買いを行います。発行株式数を少なくすることにより、一株あたりの配当金の割合も増加しますし、”他の企業・事業に投資するより自分の会社の成長が期待できる”という姿勢の表れにもなります。

ソフトバンクグループは5月18日、2020年3月期の決算を発表しました。1.3兆円という過去最大の営業赤字、そして8000億円という当期純損失にもかかわらず、年間配当金は前期と同様の1株当たり44円、さらに2.5兆円の自社株買い、そして2兆円の借入金返済を行うとしています。

日本経済新聞2020/6/5より

バークシャー社は、6月末時点で現金・同等物1465億ドル(15兆円)と過去最高水準率となり、キャッシュの使い道について、株主からのプレッシャーが高まっていたとも言われています。一方で、コロナ下で開かれた5月の株主総会でバフェット氏は「最悪シナリオを考えると多すぎるわけではない」と釈明していました。子供のころから新しい投資先を見つけることを楽しみにしていたというウォーレンバフェットが自社株買いを行うということは、それだけ投資先選びが難航していることが伺えます。

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カナダの産金株購入

私にとって一番意外だったのは、このニュースです。かねてより、バフェット氏は金投資に否定的なスタイルでした。(※今回は直接金に投資しているわけではありません。)

例えば、1998年には「有用性はない(It has no utility.)」として

アフリカやそこらの地面を掘って、溶かして、別の穴を掘って、また埋めて、それを守っているのを繰り返しているだけ。また、人々が恐怖を抱くようになれば儲かり、恐怖が薄れれば損をするが、金自体は何も生み出すことはない。

とコメントしています。恐怖心の強弱度合いによって価格が揺れ動くだけであり、”金は新しい価値を生み出す資産ではない”との認識を示していました。2018年にも株主総会(5月5日)で、1942年に1万ドルを金と株式それぞれに投資した場合を比較し

アメリカ企業に投資していれば1ドルあたりの価値は増えたが、ニュースを見て恐怖に駆られるたび、急いで買うよう勧められる価値の保存(=金)につぎ込んで得られた利益は1セントにも満たない。

と語り、常に株式投資に積極的な理由を明かしていました。

そんなバフェット氏ですが、約600億円分のカナダ産金大手バリック・ゴールドの株式を購入したことが、米証券取引委員会(SEC)の開示資料(13F)において明らかになりました。バークシャー・ハサウェイ社の保有株式の中では0.23%に相当し、順位としては25番目に位置しています。

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バフェット氏の動向を踏まえて

新型コロナウイルスによって米経済は大きなダメージを受けたことで、米政府による過去最大規模の経済対策(=債務増加)を打ち続け、米連邦制度理事会(FRB)も未曽有の金融緩和でドルの供給を増やし続けています。

普通に考えれば米経済成長から大きな恩恵を受けるかつ利ザヤが取れなくなった銀行株を大量に売却すること、ドル供給多寡によるドルの衰弱から安全資産である金鉱山会社の株式を購入したことは、自然なことです。

ただ同氏は長期投資のスタイルを貫いているので、米国経済の減速を長期的に見ているのか、それとも自分の終活と合わせてこの先数年(失礼な話ですが一般論として)のことを想定しているのか、気になるところです。

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