アクチュアリーという資格をご存じでしょうか。
難しい資格と聞くと弁護士や公認会計士という資格が思い浮かびます。
その難易度に匹敵する資格として、アクチュアリーという資格があります。
主に保険や年金の掛金・支払金額を確率や統計学などで分析や評価する専門職だそうで、珍しい理系の資格です。驚くべきはその勉強期間。
1次試験と2次試験があり、最短2年で取得できるようなのですが、平均8年程度かかるそうです。
公認会計士や弁護士と違って、TACや大原のような勉強環境が整っておらず、基本的には生命保険会社や信託銀行に勤めながら勉強・受験するため、時間がかかってしまうようです。また、大手金融機関に勤めていること、かなり専門的な資格のため、平均年収が1500万とのこと。
外資系だと2000万円!(ほんとかよ。)資格自体は民間資格で、アクチュアリー会というところが運営しています。
うさん臭い会だな、と思ったら1899年設立と100年以上の歴史があるようです。1次試験も2次試験もパスした人(正会員というそうです)は2019年3月時点で、約2,000人。
公認会計士が30,000人、弁護士が41,000人と比べると、桁ひとつ違う人数の少なさです。民間資格といえどアクチュアリーであることが一つの要件になっている国家資格があります。
生命保険会社に一人はいなくてはいけない保険計理人(一般的には役員クラスの処遇)や、信託銀行等で企業年金の妥当性を検証する年金数理人は、国家資格です。
アクチュアリー試験科目は、1次試験で以下の通り5科目あります。
・数学生命
・保険数理
・損保数理
・年金数理
・会計/経済/投資理論
2次試験は生保コース、損保コース、年金コースがあって、それぞれ生保1・生保2というように2科目です。
1次試験は理系資格らしく、計算がメインです。唯一、会計/経済/投資理論が証券アナリスト1次試験のまとめのような問題になっていて、暗記科目になっています。
2次試験は実務的な内容になっていて、保険法や確定給付企業年金法、各種業法、その他会計基準と、がっつり暗記科目です。
ちなみに1次試験の数学の過去問はこんな感じ。
がっつり確率論ですね。頭が痛い・・・こんな問題が20問程度で出て、試験時間は3時間です。合格ラインは60%とのこと。
損保数理についてはこんな感じ。
アルキメデス型コピュラ?
ケンドール?
生きていくうえで聞いたことのない言葉です・・・ちなみに合格率をみてみると、1科目10%~20%のようです。
証券アナリストは40%、弁護士や公認会計士が30%であることと比較すると難しいようです。受験する母集団や、試験勉強の環境を勘案すると、なかなか横比較できるものではないですが。
アクチュアリーの難点としては、サラリーマンとして高給取りでも”独立”できないということですね。公認会計士や弁護士は自分の事務所を持つことができますが、アクチュアリーはあくまで会社に所属しないと業務ができないようです。
興味のある方はチャレンジしてみてもいいかもしれません。