「I think the bottom is in.」

市場環境

株が下がってますね。一時は年初来で5%ほど株価は下落しました。

正直ここまで戦争の影響が出るとは思っていなかったので反省している一方で、株式市場の5%下落は良くあることなので、引き続き楽観視はしています。

さて、そのような中、CNBCのインタビューでトム・リー氏は冒頭で明確に、

「I think the bottom is in(底は打った)」

と述べました。

Tom Lee: The stock market bottom is in
Tom Lee, Fundstrat, joins 'Closing Bell' to discuss what's next for equity markets, if the Iran war changed market predi...

その根拠は「悪材料に対する株価の耐性」とのことです。

ここ1か月を振り返ると、ホルムズ海峡の封鎖観測でWTI原油先物は1バレル87ドルから116ドルへと急騰し、インフレ再燃への懸念が広がりました。ウクライナ戦争に続いた2022年のインフレショックを彷彿させました。

2022年のインフレショックを振り返ると、S&P500は2022年1月3日の終値4,797をピークにベアマーケットに入り、最終的に2022年10月12日の3,577で底打ちしました。このベアマーケットは約9ヶ月続き、指数は25.4%下落した結果となりました。その後、完全な値回復には約2年を要しました。

この下落にもかかわらず、S&P500は4月に入って6,300ポイントから6,600ポイントへと上昇し、戦況悪化というネガティブな材料を消化しながらも底堅い推移を見せました。

4月8日(水)、米・イランの停戦交渉が実質合意に達したとの報道が伝わると、市場は一転して急騰。ダウ平均は1,300ポイント超の上昇を記録し、2025年4月(トランプ関税緩和時)以来最大の日次上昇幅となりました。WTI原油は一日で16%下落し、2020年4月以来の最大下落率を記録しました。

この市場の動きについて、トム・リー氏は以下のように答えています。

戦況が悪化し、原油が上がり続けているにもかかわらず、株が下がらなかった。それがボトムの前提条件だ。そして今日、戦争が沈静化しているという変化率(rate of change)が出た。

「底は打った」と判断する理由について、トム・リー氏は以下の3点を挙げました。

① 悪いニュースに反応しない株価
リー氏は「株が悪材料に下がらなくなったとき、底が近い」というテクニカル原則を重視する。3月中旬から4月初旬にかけて原油が急騰する中でもS&P500が上昇を維持したことは、市場参加者がすでにリスクを織り込み終えたシグナルだと解釈した。

② 70%超のセクターが既に調整済み
S&P500構成銘柄のうち約70%がすでにベアマーケット水準(高値から20%超の下落)を通過した。エネルギー株・金融株は昨年の下落で傷を負い済みで、マグニフィセント・セブンとソフトウェア株は今年の調整でバリュエーションが切り下がり、今やS&P500全体の平均と同水準まで割安化した。

③ 変化率(rate of change)の転換
リーが最も重視する概念が「変化率」だ。絶対水準ではなく、状況が「改善方向に向いたか否か」を重視する。停戦合意の発表により、地政学リスクの方向性が悪化から改善へ転換した。この「変化率の好転」が株価反転の最大の触媒になると見る。

トム・リー氏の注目セクターとして、マグニフィセント・セブン(Apple・Nvidia等)、ソフトウェア株、エネルギー、金融を挙げています。加えて、S&P500の年末目標を7,300ポイントに達するとの見通しを維持(現水準から約7.6%上昇)しました。

また典型的な「夏場の軟調」についても言及し、市場がすでに8%下落していることから、例年に比べて夏場の調整幅は小さくなる可能性があると指摘。さらに米国への資金流入という観点でも、戦時下での米経済の底堅さが証明されたことで、グローバル投資家が米国株を選好する「ブロードニング・トレード」が進むと予想しています。

ブロードニング・トレード(Broadening Trade)

株式市場の上昇が一部の銘柄から市場全体に広がっていく現象・投資戦略のこと。昨今はマグニフィセント・セブンという超大型テック7銘柄がほぼ牽引していた一方で、残りの493銘柄はほとんど上がっていないという非常に偏った相場だったが、この「7銘柄頼み」の状態からS&P500全体に参加者が広がる動きを「ブロードニング(裾野が広がる)」と呼ぶ。

もう一つ、3月31日から4月9日までS&P500は7連騰しました。面白い統計として、過去20年間のうち、7日間の連勝を記録した年は、S&P 500がその全年で95%の確率で上昇したということです。平均で18.8%上昇しているそうです。なお、このパターンが機能しなかった唯一の年は2000年のテックバブルでした。

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