4月も半分が過ぎました。中東危機が勃発しましたが、現在は落ち着きを取り戻しています。
「銃声が鳴ったら買え。」という格言がありますが、確かに勝率は高いのでしょうが、現在言うとS&P500が4%程度下がったところでポジションを増やしても、上値が限られている一方で、「万が一」があって(諺敵意に使ってますが、実際の感覚的に25%くらい)これ以上下がるのリスクがあるので、個人的にはあまり参加しないようにしています。あと、海の向こうとは言え、人の不幸でお金儲けしたくないですしね。
とはいえ、4月に入ってからというもの、株価は下落基調です。いつの間にか節目の5000も下回ってしまい、最高値から4%以上下落しました。
中東リスクの高まりも要因ではありますが、やはり「思ったより低下しない物価」が悪さをしているのかと思います。「ラストワンマイル」という言葉で比喩されますが、今年に入ってから消費者物価は3%台をうろうろしています。直近の3月指標に関しては、総合が前年比3.5%と前月の3.2%を上回る結果となりました。
これを受けて、FRB高官の発言もタカ派色を帯びて来まして、特に4月3日、カリフォルニア州のスタンフォード大学で講演したパウエル議長の「インフレ率が2%に向かって持続的に低下しているという確信が強まるまでは、政策金利を引き下げるのは適切ではないとみている」というコメントで、それまで6月には利下げという雰囲気だった市場が一変しました。
他にも、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁が15日、調な米経済成長と力強い労働市場、インフレの高止まりを理由に「金利を調整する緊急性はない」とコメント、11日にもニューヨーク連銀のウイリアムズ総裁が「ごく近い将来に政策を調整する明確な必要性はない」とコメント、アトランタ連銀のボスティック総裁も経済専門局CNBCとのインタビュー(3日)で「今年末、つまり第4四半期に利下げを開始するのが適切になると思う」と年内の利下げ予想を1回とコメントし、まるで6月の利下げの火消しのように、4月前半だけでも次々とタカ派発言が繰り出されました。
なお、デーリー総裁・ウイリアムズ総裁・ボスティック総裁いずれも2024年の投票権を持っています。(あと一人はリッチモンド連銀のバーキン総裁)
これを受け、年初は6回だった年内利下げ回数予想も、今では2回に減ってしまいました。
株式市場と同様に、債券市場もインフレ時は打つ手がありません。年末にかけて落ち着いて来た金利上昇も、今年に入ってから右肩上がりです。
あえて喜ばしいと言えば円安ですが(給料が相対的に減ることになるのであまり喜ばしいことではないですが)、米国金利に比例して155円程度まで円安・ドル高が進行しました。
株安および円安を総合すると損失が相殺されて、米国株(円ベース)は3月中旬から横ばいで推移しています。いつの間にか、あれだけ騒がれていた日経平均と比較して、年初来パフォーマンスが上回っています。
相場にはこういった調整が付き物です。むしろ年始以降の3か月が良すぎたと思います。なお、4月はタックス・デイ(TAX DAY)というアノマリーがあって、税金支払いの換金のために株価が下がるという者で、歴史的には4月15日付近を境に上昇する傾向があるそうです。
とりあえず今は円安もあってなかなかポジションを増やすこともできないですし、ドルベースで割安になった日本株を買おうと思ってもお金がないので、黙って相場を見ているしかないのですが。1~3月のモメンタムもあるようですし、大人しく見守るしかありません。絶対金利下がる(さすがにもう上がらないでしょ。)と思っていたのに、相場はホント、良くわからないものです。