前回の記事でワンルームマンション投資の概要を書きました。今回は業者とのやり取りをメインにご紹介したいと思います。

きっかけはマンション(賃貸)のポストに投函されていたチラシでした。昨今の株式上昇を踏まえた分散投資意向から、不動産投資に興味を持ったのは前回の記事に書いた通りです。チラシの業者はもちろん、ネット調べると「ギフト券プレゼント」というキャンペーンが複数あったので、同時並行で話を聞くことにしました。

ここでの注意は、中には「成約が条件」というものも少なからず混じっていたので、あくまで面談を条件とするものに絞ることです。
概ねどの業者も、金額の多寡(1万円~5万円)はあるものの、複数回(おそらく3回)の面談後かつ初回面談から「90日ないし3か月後」にギフト券が配布されるようです。実際4社の業者に応募して、そのうち3社は初回面談から約90日後にメールでギフト券コードが送られてきました。

ギフト券を貰えなかった1社は、ここも3回くらい面談して、むしろ担当者の説明がうまくてこちらから面談を積極的にお願いしていた記憶もあったのですが、いつの間にか「次回面談」のやり取りが終わっていて(4社もやっているとどれがどれか分からなくなる)、結局貰えず仕舞いでした。
後々メールも全部見返しましたが、こちら起因でメールを途切れさせたわけでもなく、敗戦覚悟で「そういえばギフト券貰えないんですか?」というメールを送ったのですが、もう数か月無視されています。笑
さて、問い合わせフォームに入力すると、大手の会社さんの場合は次の日にはアポイントと投資背景のヒアリングを受ける電話が来ます。基本的には
・どうして興味を持ったのですが?
・年収は?
・保有資産は?
・不動産へのイメージは?
というものです。大手になってくるとアポイントを取る業務はアウトソースしているようでアポと実際に説明してる人が異なり、2回、3回と日程調整していると誰が誰だか分からなくなりました。日程が決まるとWEB面談となり、実際の面談を行います。
自分の場合は、興味半分で全ての会社に訪問して、実際に顔を合わせました。最初は面白半分でしたが、やはり皆さん提案が上手だったり、中には10部屋~20部屋購入していて節税を極限まで極めており
生活保護の案内が来る
という人もいました。
最初は「東京に不動産を持つ」という目的でしたが、経費で飲み会ができるとか、旅行も「不動産の視察」と言えば経費にできるとか、はたまた売り上げ(=家賃収益)が1000万円ほどあれば経費で車が買えるとか、夢のような話をたくさん聞いてしまったので、問い合わせをしたころから一か月もすると本気でマンション購入しようかな?と思い始めました。

それでなくても減価償却の考え方、節税の考え方、金利情勢等もそうですが、純粋にサラリーマンとしてのプレゼン能力も勉強になりました。
もっとガツガツ来るのかと思いきや、1回目・2回目の面談はそうでもなく、更に言えば1社を除いて「まぁ好きにしてください。」というスタンスで、「あれ?断ったっけかな?」という業者さんもいました。これはこれで
見限られたか?ギフト券貰えないかも?
と不安になりましたが。
1回目の面談はメリットの説明、2回目の面談は空室や災害、修繕等のデメリットの説明を受けました。ただ空室・修繕・家賃リスクは不動産会社が提案する管理メニューでヘッジできるというもので
金があれば解決できる
ものとのことです。とはいえ、どこの会社も空室リスク1%未満の世界だったので凄いなと思いました。ただ、空室が出ないエリアに絞っている(なので関東も東京・神奈川のみで埼玉・千葉の物件はない)ということは言っていましたし、もしかすると入居を優先して家賃を下げるのをすぐに許容してしまっているのかも知れません。

天災は火災保険に入ってください、というものでしたし、場合によっては入居者の保険も合わせると実際の修繕よりも多くもらえて、余ったお金を入居者と分け合うという事例もあるそうです。売却については、凄い数がやり取りされているので、半年あればキャッシュ化できるとのことでした。
特に言及がなかったのは金利上昇で、もちろんワンルームマンションの金利(約1.8%)も変動金利なのですが、特にヘッジする手段はどこの会社も持ち合わせていませんでした。あえて言えば「家賃を上げる」ということしかないようです。
最後に業者が倒産した場合ですが、所有権はオーナーにありますし、管理会社をまた探してくれば良いので、特に問題はないとのことでした。
2回目の面談で
リスクは理解しましたか?
という形式的な質疑応答を受け、源泉徴収票等の個人情報をさらけ出し、収入等に嘘を言っていないことが証明されると、3回目の面談に進むことになります。
3回目は実際の物件の紹介に入ります。あまり東京1択というのはないらしく、東京・大阪・名古屋、場合によっては京都・神戸・福岡を織り交ぜてきます。私としては「手出しが少ない」「節税効果」に魅力を感じていたので、必然とどの会社も東京1部屋、大阪2部屋、たまに名古屋のDINKS用の1LDKを1部屋という感じのポートフォリオに落ち着きました。
東京も、新宿や渋谷というわけではなく、板橋・葛飾・江戸川・墨田区も物件ばかりでした。有名どころはもう値上がり切っているので、まだそこまで値上がっていない(これから値上がりが期待できる)ということや、2030年代半ばに予定されている南北線・有楽町線の延線(住吉・豊洲間)効果が期待できるというものでした。

大阪も万博跡地にできる日本初のカジノを含む統合型リゾート(IR)構想(2030年秋頃開業予定)や、名古屋は何といってもリニアの開通(2035年以降)があるということで、今ままでテレビの向こうの他人事だったことが自分のメリットにもなると思うとワクワクが止まらなくなり、どんどん購入意欲が高まっていったわけです。
さらに向こうも上手です。「今決める必要はないのですが・・・」という前置きのもと、人気の物件はすぐに他の人に取られてしまうとのこと。早ければ明日には無くなってしまう、当たり前ですが唯一無二の実物投資なので同じものは出てこないことに念を押されたことに加え
今なら管理費半額!
というセールストークまで出てきました。管理費半額となると、一番気にしていた「キャッシュフローが赤字」という点において、名古屋くらいの物件になると数千円プラスになるということ(加えて家賃の上げ余地もあるとのこと)でしたので、実は物件1つだけ「仮押さえ」の意味で審査に出すことを了承してしまいました。(DINKS用の築浅1LDK物件)
このあたりでだいぶ意思決定の話になってきましたので、引き伸ばすために「ちょっと神戸に縁があって」とか「東京も新宿とか渋谷も見てみたいです」と申し上げて、面談を重ねて時間稼ぎをしたりしてました。話も面白かったので一番多い業者は5回ほど面談したのではないでしょうか。
このあたりで魔法が解けました。
最初は「どうせ買わないよ。」と思ってフワフワと考えていましたが、とうとう仮審査までしてしまったわけです。このあたりで本格的に業者以外の情報を調べ始めます。
いろいろ調べてたどり着いた答えが以下です。
- ここで与信を使ってしまうと、住宅ローンを組むときに選択肢が狭まる
- 投資物件なのでいわゆるマンションの理事会が機能しておらず、追々揉める
- 結局はキャピタル狙いなので、家賃が下がったらほぼ終了
- IR・新路線といろいろ夢があるが、夢は既に価格に織り込まれている
- 節税が効くのも短期間なので、追々総合課税されて”増税”になる

「住宅ローン組むときに与信枠が減る」というのが一番ネガティブな理由になりました。また、そもそもキャッシュフローが赤字というのも考えてみれば辛いですね。「自分の財布から出すのはNISAも変わらない。」という言葉がありましたが、生活が苦しくなったらNISAは拠出する金額を変えられます。一方で不動産投資は返済額が決まっている、なんなら金利上昇や修繕積立金の上昇で増える可能性の方が高く、こちらの意思に関係なく金額が決まってしまうのもネガティブだなと思い、ここから
断るフェーズに入っていきます。
いろいろ断る理由を考えます。しかし、散々前のめりに聞いてしまったので「興味が無くなりました。」とか「このリスクがやっぱり嫌です。」とも今更言えないと思ったので
第三者のせいにしよう
と思ったわけです。実はワンルームマンション投資のローンでは、意外にも団信が必須(外せない)で、正直自分は残す相手もいないので「団信なくして金利下がらないですか?」とどの業者にも強く交渉していました。もちろん結果は外せないのですが。
ですので「私が死んだら親に知られてしまうことは明確なので、一度親に相談してから。」という”前置き”をどの業者においても設けさせていただきました。そして「親から
”借金なんてけしからん!”
と怒られてしまいました。」という理由でフェードアウトしようとしたわけです。交渉相手が目の前にいない分、潔く引き下がってくれることを期待して。
結果として2社は「それはしょうがないですね。またの機会に。」と結構あっさり断りを受け入れてくれました。ただ1社だけ凄い食らいついてきて「良かったら親御さんに説明しますよ。」「断れた理由は他に何がありますか?一つ一つ潰していきましょう。」と迫られ、あれやこれやと聞かれたりして1時間近く電話をしました。こっちは仕事中なのに。挙句の果てに
次のアポイント(リアル面談)の日程が決まるまで電話は切れません
と言ってくる始末。しぶしぶ2週間後に日程を決めると「次は役員も同席するので一緒に作戦を考えましょう。」とのこと。これは絶対やばいやつだなと思いつつ、約束してしまったし、向こうもサラリーマンとして間に立たされる辛さも分かるし、と悶々としていました。

リアルに誰かに相談できるわけでもなく、「蛇の道は蛇」ということで、思い切って別の業者の面談際に相談してしまいました。笑
そしたら親切に対応してくれて(この業者さんも追々お断りしてしまいましたが)、「まだそんな業者いるんですね。」「(さすがに最悪の場合ですが)買うまで帰さない、と言われるリスクもある。」「2時間どころか3時間コースですね。」「絶対行かないほうがいいです。」と助言いただき、面談をお断りするメール文面まで一緒に考えてくれました。
面談の一週間前くらいでしょうか。面談をお断りするメールを送ったところ、「圧が強くなってしまい申し訳なかった。またの機会に是非。」ということで、この軟禁未遂の業者さんもなんとかフェードアウトすることができ、後にちゃんとアマゾンギフト券を貰うことが出来ました。
軟禁(なんきん、英語: house arrest)とは、人の行動の自由を奪う手段のうち、被拘束者の行動の自由を完全に奪うことを目的とした手段ではなく、専ら被拘束者の逃亡や部外者との接触を防止することのみを目的として用いられる比較的抑制的な手段を指す言葉。
不動産業者とのやり取りはこれで終わりです。結果として15万円ほどのアマゾンギフト券をゲットできました。

勉強になった一方で、やはり精神的・体力的に辛かったので当面はやらないと思います。ただ5年後、10年後に不動産市況が変わっているようであれば、不動産市況の勉強にアマゾンギフト券収集はしたいと思ってます。果たしてその時には今回相談した業者さんは生き残っているのかどうか。
奇しくもあれから半年たった今、不動産の下落が騒がれ始めているので、あの時の撤退という決断は正しかったのでしょうか。
なお、面談を無事終えるとパッと見、迷惑メールような乾いた文章でギフト券コードが届きました。間違って消さないか不安で、こんなにも迷惑メールボックスを精査したのは初めてでした。



