老後の資産はオリエンタルランドで安心だった。

運用実績

日経平均株価が6万円を超えるニュースが飛び交っている中、ディズニーリゾートで有名なオリエンタルランドの株価が下落しています。年初来で日経平均株価が14%(5月1日現在)上昇している中、オリエンタルランドは20%以上下落しています。

オリエンタルランド。コロナ禍の一時的な落ち込みを経ながらも、2022年以降は急速に回復。ディズニー40周年イベントの成功やインバウンド需要の回復、チケット価格の変動制(ダイナミックプライシング)の導入による客単価の上昇が重なり株価は上昇しました。

特に新NISAが始まった2024年には、(筆者の勝手な憶測ですが)株主優待のチケット欲しさに買いが集まり、2024年初頭には株価が5,700円台という歴史的高値をつけたのを記憶しています。

それまではなんとなく

株の話は公でしないもの

という雰囲気がありましたが、日経平均株価は2024年2月22日、1989年12月のバブル期に記録した最高値(38,915円87銭)を約34年ぶりに更新。さらに3月には4万円台の大台に乗せ、「失われた30年からの脱却」「デフレからの脱却」というイケイケの状態でしたので、なんとなく普通の会話の中でも

新NISAやってます?

から自然と株価の話ができる時代になっていたように感じます。そのような中、50代の派遣社員さんとふと株の会話をしました。出張や備品の清算などを対応していただいており、とてもテキパキ仕事をこなされる一方、親御さんの体調が悪いという理由でたまに長いお休みを取ったり、かなり遠方から出社しているという話も聞いていたので、毎日挨拶や天気の話はすることはあっても深い話をしたことはありませんでした。なんだかんだ3年ほどは同じ部署で働いてはいたのですが。

ただディズニーがとても好きな方で、ディズニーに行くたびにお菓子を買って皆に配っているので「マメなひとだなぁ。」と思う一方、「いくつになってもディズニー好きなんだな。」とディズニーの凄さを当時は感じていましたし、年間パスポートが混雑でなくなったり、今や資本主義を駆使しないとまともにアトラクションを乗れないという話を聞くと、なぜここまで株価が下がっているか理解できません。

なぜ株価の話になったのか分かりませんが、オリエンタルランドの株価が絶頂の時に、この方とも株式投資の話になりました。きっとこの方も誰かに株式投資が成功していることを言いたかったのかも知れません。なんとなく向こうから「NISAってやってますか?」と聞かれたような記憶がかすかにあります。

当時は2019年にあった「老後2000万円問題」からそれほど時間が経っていなかったことや、「年間●回ディズニー行くんですけど半分は株主優待で賄えてます。」という会話があったことから、なんとなく3000万円くらいは保有されている印象を持った記憶があります。もちろんその場で計算したわけではなく、後になって調べてみたのですが。

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加えて、なんとなくホッとした記憶が強く残っています。

とてもやさしい方で、仕事もテキパキとこなす一方で、プライベートの方は前述したとおり苦労されている印象でした。おそらく結婚もしていないようでしたし、派遣社員なので体を崩してしまっては一大事です。そんな中でしっかり資産形成されて、嬉しそうに株式投資の話をしているのを見ると、一人の会社仲間として勝手に安心していました。

あれから私が部署が変わり、正直遠目から見るとあまり特徴のない方ではあるのですが、すれ違えばきっとお互い気づき挨拶はするような間柄でしたが、特に「あの人はどうしたんだろ。」と思うことがなく月日が過ぎていました。

そしてつい先日、フロアの廊下ですれ違いました。

三度見してしまいました。

いわゆる妙齢のぽっちゃり体型という方ではなくスラっとしているほうの方でしたが、「スラっと」を超えてかなりやせ細ってしまっていました。髪もかなりぼさぼさの状態でずっと下を見て歩いており、挨拶をすることなくすれ違いました。

まだ弊社で働いていたんだなと思うと同時に、あまりにも雰囲気が違い過ぎて、今ままですれ違っても気づかなかったことを理解しました。

そして

オリエンタルランドの株価が気になった

わけです。

調べてみると株価はピークの5,700円台から2,200円台まで下落しており、おおよそ3分の1まで下落しました。最高値付近で3,000万円分保有していたとすれば、評価額は1,200〜1,300万円台に落ち込んでいる計算になります。約2000万円の消失。それがあの雰囲気の変化を生じさせてしまったのでしょうか。

まだ、マーケットが悪いければ「マーケットが上向けば元に戻る」という希望を持つことが出来ますが、ご存じの通り日経平均株価はイケイケです。過去10年間で振り返ると、日経平均株価は3.5倍になったにもかかわらず、オリエンタルランドの株価は1.5倍とマーケットに大きく劣後しています。

なぜここまで株価は下がっているのでしょうか。実際、4月28日に行われた決算発表で売上高は7,045億円(前期比+3.7%)と過去最高を更新しました。一方で、営業利益は1,684億円(同▲2.1%)、当期純利益は1,219億円(同▲1.8%)と、増収減益の決算でした。

オリエンタルランド決算結果

入園者数は2,753万人で前年の2,756万人からほぼ横ばいでしたが、ゲスト1人当たり売上高は前年比3.2%増の18,403円と過去最高を記録しており、収益成長は客単価の上昇によって支えられています。なお、人件費が前期比で約112億円増加、諸経費(システム関連・メンテナンスなど)も約112億円増加しており、コストの増加が売上の増加を上回ったことが減益の直接要因です。テーマパーク事業の営業利益は前期比▲7.1%(約99億円の減益)でした。

株価は、決算発表前(4月28日)の終値(約2,400円)から10%の急落を記録しました。

短期的には決算発表で「売上は伸びるが利益は縮む」(2027年3月期は営業利益▲4.5%・最終利益▲6.6%)という見通しを出したことが要因と言われていますが、長期的な下落の背景には 、ファンタジースプリングスの誤算があると言われています。

2024年6月、約3,200億円という巨額を投じた新テーマポート「ファンタジースプリングス」がオープンしました。アナ雪・ラプンツェル・ピーター・パンをテーマにした豪華なエリアで、話題性は申し分なかったはずでした。ところが蓋を開けてみると、2025年3月期の上半期(4〜9月)のテーマパーク事業は市場予想を下回り、前年同期比でわずかに減益となりました。「最大のカタリスト(材料)」と期待されていたファンタジースプリングスを消化した今、市場は「次の成長の柱はどこか?」と問い始めたのです。

次の大型施策として2028年就航を目指すディズニークルーズ事業(総投資額約3,300億円)が発表されていますが、収益化はまだ数年先の話です。金利上昇局面で「将来の果実」を高い株価で待ち続けることへの投資家の忍耐は、限界に近づきつつありました。

相次ぐ入場料の値上げに消費者が疲弊しつつあるという問題もあります。コロナ禍以降、1デーパスポート価格は段階的に引き上げられ、最大で1万900円という過去最高額となりました。実質賃金の伸び悩みが続く中、家計が娯楽への支出を絞る動きが広がっており、「ライト層」がテーマパーク離れを起こしている可能性が指摘されています。

もう一つ見逃せないのが、筆頭株主である京成電鉄を巡る動きです。京成電鉄はオリエンタルランド株の約20%を保有していますが、英投資ファンドのパリサー・キャピタルが「保有比率を15%未満に引き下げるべき」と要求。旧村上ファンド系の投資会社も京成株を買い増しており、売却圧力が高まっています。

あらためて、

個別株投資、集中投資の怖さ

を実感しました。

個別株は夢があるけど諦めた話。
”すっぱい葡萄”的な話をしたいと思います。イソップ寓話(ペリー・インデックス15)の一つで、狐が己が取れなかった後に、狙っていた葡萄を酸っぱくて美味しくないモノに決まっていると自己正当化した物語が転じて、酸っぱい葡萄は自己の能力の低さを正当…

オリエンタルランドは業績が良く、ブランド力があり、長年株価が上がり続けてきた銘柄です。業績もそこまで悪化したわけではありません。それでも株価は最高値から半値以下になりました。老後の生活を支えるはずだった3,000万円が1,200万円台に目減りしていたとすれば、精神的なダメージは計り知れません。

奇しくも自分と株価の会話をした瞬間が最高値となっていました。

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