トム・リーの米国株価予想。

市場環境

トランプ大統領の関税問題も落ち着きを見せ始め、足元の注目すべきは9月のFOMCの動向となっています。29日に発表された米個人消費支出(PCE)はコア指数で前年比2.9%上昇と、2月以来の大きな伸びとなりました。(総合指数は前年比2.6%上昇)

利下げの思惑に水を差す結果となりましたが、米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は29日、「政策を再調整し、経済とより整合させるべき時期が近く訪れるだろう」「関税関連の物価上昇は一過性のものになる」とSNSでコメントし、近く利下げに踏み切る用意が整うとの考えを示唆しました。

SF連銀総裁、9月の利下げに柔軟姿勢-関税インフレは「一過性」
米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は29日、近く利下げに踏み切る用意が整うとの考えを示唆した。関税に起因するインフレは一時的なものにとどまる可能性が高いと付け加えた。

相変わらず市場が不透明な中、ファンドストラットのトム・リー氏が米国株価市場に対する見通しをコメントしました。

marketwatch.com

なお。リー氏は5月5日の時点で米国株価の最高値更新を示唆しており、見事6月27日の最高値更新を当てました。

リー氏は年末のS&P500指数の目標水準を6,600とし、ピークでは7,000まで上昇すると見ています。(現在6,430)

FRBは2025年を通して利下げを一時停止した後、「ついに利下げに踏み切るだろう」と予想しており、ISM製造業景況指数は28ヶ月以上50を下回った後、「50を超える水準に回復するだろう」とリー氏は予想しています。

(ISM製造業景況指数は実際には1月と2月にわずかに50を上回ったものの、過去2年間は51を下回っている。)

「我々としては、これは理にかなっている。ただ、FRBの利下げに株価が当初どのように反応するかは分からない。しかし、金利がFRBのハト派的な姿勢を反映し始めれば、経済と株価にとって好ましい状況になる」とリー氏は述べました。

“To us, this makes sense. We just don’t know how stocks might initially react to a Fed cut. But once interest rates are reflecting a dovish Fed, this is good for the economy and stocks,”

またリー氏は、2035年まで続く10年間の強気相場の始まりにあると予想しています。

リー氏は、世代の労働人口がピークに達することが市場の大きな転換点と相関する傾向を示しています。例えばベビーブーマーは1999年の市場ピーク、ジェネレーションXは2018年のピークと一致し、そいてミレニアル世代は2035年にピークに一致し、これが次の主要な市場のピークの指標になると予想しています。

成長の要素としては、米国の労働年齢人口の増加、クレジットから株式への富のシフト、AIやブロックチェーンなど最先端技術の進展を挙げています。

この中で、トム・リー氏がいう 「クレジットから株式への富のシフト」とは、家計や投資家のお金の使い道が債務(借金や債券=クレジット市場)中心から、株式投資へ移行する動きを指しています。米国の家計は長く住宅ローン、消費者ローン、社債投資などの「債務依存型」でした。金利が低い時代(ゼロ金利や低金利の時期)は、借り入れや債券投資が資産形成に向いていました。

しかし、金利の高止まりから債券投資の魅力度が下がることや、ミレニアル世代が資産形成期に入る人口動態から より高いリターンを求めて株式へ投資が流れること、技術革新(AI・ブロックチェーン)により 成長株の期待が高まり、債券より株式のリターンが大きいと見込まれることで、株式市場への資金流入が見込まれるとのことです。

なお、米国における2025年時点の人口は、ベビーブーマー世代が約7,100万人ジェネレーションXが約6,500万人、ミレニアル世代が約7,200万人とのことで、ベビーブーマー世代以上の成長が期待出来るというということですね。

ベビーブーマー世代(Baby Boomers)
1946年頃〜1964年頃に生まれた世代で、アメリカでは人口が約3400万人。

X世代(Generation X)
1965年頃〜1980年頃に生まれた世代。ベビーブーマー世代よりも人口が少ないものの、アメリカの全体所得の31%を占め、平均所得は国の平均よりも高い。

ミレニアル世代(Millennials)
1981年頃〜1996年頃に生まれた世代で、Y世代とも呼ばれる。

Z世代(Generation Z)
1997年以降に生まれた世代

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