利上げ局面と2022年の米国株予想

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2021年もあとわずかとなりました。無事年内最後のFOMCも消化し、年末ラリーも期待されましたが、オミクロン株の懸念も払しょくされず、このまS&P500は4600で着地しそうです。

【新型コロナ】NY州の1日当たり新規感染2.1万人超、過去最多更新
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染が全米に広がる中、ニューヨーク州の1日当たりの新型コロナ新規感染者が17日に2万1000人を上回り、1月に記録された過去最高を更新した。

なお、12月14-15日に開催されたFOMCでは、資産購入の減額ペースを2倍にしたことに加え、来年(2022年)の利上げ回数予想の

最頻値が3回

となりました。9月の予想の最頻値が0回だったことを考えると、大分”タカ派”になりました。

FRBホームページより

なお、過去の利上げ相場を振り返って見ると、全ての局面で上昇しました。直近の利上げ相場(2015年12月~2018年12月)を振り返っても、28.4%上昇しました。

特に直近の利上げ相場は記憶にあるので、いち個人投資家の目線で振り返りたいと思います。利上げは、2016年に1回(12月)、2017年に3回(3月・6月・12月にそれぞれ0.25%引き上げ)、2018年も4回(3月・6月・9月・12月にそれぞれ0.25%引き上げ )行われました。

株価は、利上げ直前がチャイナショック(2015/6-2016/5:S&P500は最高値から13%下落)からの反動もあって、グラフのとおり2018年2月までの約2年間、右肩上がりで上昇しました。具体的には2016年は10%、2017年は19%、S&P500は上昇しました。

2017年は低い金利とトランプ大統領就任の祝賀ムードで、適温相場(ドルディロックス相場)と呼ばれていました。その後、2018年2月に一度調整を迎え(vix指数が突然20を超えたため「vixショック」とも呼ばれました。)、そんな中でも行われた2018年中の4回の政策金利の引き上げや、トランプ大統領の中国との通商政策で景気減速が叫ばれるようになり、2018年12月を底入れとする株価下落を迎えました。結果、2018年の収益率は△6%で幕を閉じました。

さて、様々な運用会社が2022年の米国株価予想を出してきています。なお、運用会社は株価が上目線でないと誰も株を買ってくれないので、そういったバイアスがかかっていることにご留意下さい。

reuters.com

概ね5000以上がターゲットになっていますが、珍しいことに現在より下目線が2社ありました。モルガン・スタンレーが「控えめな」予想を出した理由は、金融政策がより速いペースで引き締めを実行していくことや、インフレ(供給)問題を起因とした経済停滞を挙げています。

idecoをみずほ銀行に加入しているせいか、みずほ証券の米国株価予想の動画が展開されまして、みずほ証券の2022年末のS&P500予想は5000でした。

予想の算出過程としては、企業業績(EPS)の2022年末予想を228に引き上げ、PERを現在と同水準(21~22倍)を仮定したとのことでした。

現在の株価変動要因となっているオミクロン株については、後々ワクチンが開発され落ち着いていくのではないかとの見通しのもと、インフレも年明けには落ち付いてきて、それに伴い経済活動の正常化、慎重な金融政策と共に企業業績も上昇していくと、コメントしています。

ゴールドマンやモルガンも同様のコメントを出していましたが、みずほ証券も「利上げ期にはスタイル(セクター・戦略)選定が必要」と強調していました。

まだ先の話にはなりますが、利上げ後期・利上げ打ち止め期はディフェンシブ銘柄が強くなる=景気悪化が見えてくるということですので、利上げが落ち着いたあたり(まさに2018年後半)は注意が必要とのことです。

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