ウォール街の主要ストラテジストが2026年末のS&P500目標値として「8,000」という数字を次々と掲げています。Goldman Sachs、Morgan Stanley、Deutsche Bank、Societe Generaleといったところが、企業業績(EPS)の見通しの改善を理由に予想を引き上げました。
| 運用会社 | 年末目標 | 前回予想 | 主な理由 |
|---|---|---|---|
| Goldman Sachs | 8,000 | 7,600 | AI投資による企業利益の上方修正。EPS340ドルを予想。 |
| Morgan Stanley | 8,000 | 7,800 | 利益成長の裾野拡大、景気の底堅さを評価。 |
| Deutsche Bank | 8,000 | 8,000 | AIによる利益成長を評価。ただしボラティリティは高いと警戒。 |
| Societe Generale | 8,000 | 従前予想なし | 利益見通し改善を背景に他社と同水準へ。 |
特にゴールドマン・サックスにおいては、S&P500は現在、予想利益(フォワードEPS)に対して約21倍で取引されており、これは過去40年間と比較すると上位88パーセンタイルに位置する高い水準である一方で、基本シナリオでは、このPER(株価収益率)は年末までおおむね横ばいで推移すると見ています。
また、今後のS&P500全体の利益成長は、巨大テクノロジー企業(ハイパースケーラー)がAI投資から十分な収益を生み出せるかどうかに、ますます左右されるようになるとゴールドマン・サックスは見ています。企業によるAI活用はまだ初期段階にありますが、今後数年間でAIが生産性や企業利益を押し上げる効果がより明確になると予想しています。同社の予測では、AIによる生産性向上がS&P500企業の利益成長率を2026年に0.4ポイント、2027年に1.5ポイント押し上げると見込んでいます。
他の運用会社と同様に、Fundstratのトム・リー氏は、年末目標を7,700から8,000へ引き上げました。

リー氏も、目標引き上げの要因に「EPSのEだ」と企業成長を挙げています。具体的には2025年末の2027年のEPS予想は351であり、PERは19.4倍でした。しかし、あれから株価が6846から7365に上昇したのにも関わらず、PERは18.4倍に低下しています。つまり、年末よりも株価が割安になっているということです。

これはEPSが351から399に上昇したことが要因であり、リー氏は更なる業績の上方修正を見込んでいる、とのことです。リー氏は「the market is cheaper vs Jan 1.」と言いつつも、FRB(Fed)の新体制への懸念(過去13回の内11回は下落した)、長期化する戦争によるエネルギー価格上昇、大型IPOによる市場からの資金吸収が今後のリスクであると主張しています。

これらは長期的な弱気相場入りを示唆するものではなく、「年末に向けた上昇トレンドの途中で発生し得る一時的な調整要因」として位置づけられています。そのため、このスライドでは最終的な年末目標を8,200とし、年後半に上昇が加速する「バックエンド型」の相場を基本シナリオとして示しています。


