ゴールドマン・サックスのレポートによれば、人工知能(AI)関連のイノベーションによりAIが広く普及すれば、米国の労働力の6~7%を置き換える可能性がある、とのことです。

AIの導入は大企業を中心に行われており、一方でその比率もそこまで高くないことから「こうした傾向は導入が進むにつれて広がる可能性があるが、AIが今後10年間で大規模な雇用削減につながるかどうかについては依然として懐疑的だ」とゴールドマン・サックスのエコノミストは主張しています。

生成AIが全面的に導入され、通常の生産活動に組み込まれた場合、米国およびその他の先進市場における労働生産性が約15%上昇すると推定しています。これは、AI移行期間中の失業率がトレンドより0.5%ポイント上昇することを意味するそうです。もちろん、AI導入が想定よりも前倒しで行われた場合、この影響はさらに大きくなる可能性があるとのことです。
これまでのところ、若いテクノロジー労働者が影響を受けているように見えるとのことで、テクノロジー関連職種の20~30代の失業率は、2025年初頭から3ポイント近く上昇しているそうです。これは他の職種の同年代の労働者や、テクノロジーの全年齢の労働者全体と比べても顕著に高い。これは、生成AIがテクノロジー分野の新卒者にとって採用上の逆風となっているということを裏付けているとも考えられます。

研究者たちは、今後数年間でAIに取って代わられるリスクが最も高い職業として、コンピュータープログラマー、会計士・監査人、法務・事務アシスタント、カスタマーサービス担当者、テレマーケティング担当者、校正・コピー編集者、クレジットアナリストなどを挙げています。
そのような中、AIに仕事を奪われない(ただ「内向きな人向け」という前置きがありますが)仕事についてのForbsの記事がありました。

この中で、アクチュアリーが含めれていました。
- ソフトウェア開発者
- データサイエンティスト
- アクチュアリー
- サイバーセキュリティの専門家
- 研究科学者
- 作業療法士
- セラピスト/カウンセラー
アクチュアリーに関しては、下記の通り予測不可能なリスクを定量化し、顧客とのやり取りも少なく、複雑な数学的パズルを解く知的満足感が得られると言っています。
アクチュアリーはあらゆるものを分析し、アルゴリズムにはない直感的な推理と文脈理解を必要とする。アクチュアリー職は2024〜2034年に14%増加すると労働統計局は予測しており、これは平均をはるかに上回るペースだ。アクチュアリーはほとんどの時間を静かな分析に費やし、洗練されたモデルを構築し、プレゼンではなく報告書で調査結果を伝える。
確かに
作業(主にエクセル)
には没頭できます。
加えて、なんとなく出てきた定量分析結果に
サラリーマンとして上司の気に入る意味を付ける
とても重要な仕事をしています。
と言う冗談はさておき、最近のアクチュアリー会での論文発表を見ても(一応気にしているので)、かなりデータサイエンティスト的なお仕事をされているように見受けられます。
私に見たいな「ハンター試験みたいだな。」という軽い気持ちで足を踏み入れた者はさておき、志望してくる人たちはそれは優秀な大学であったり、その分野の研究をされてきたばかりの方が大半です。
このForbsの記事が「安定を求める内向的な人にとって」と皮肉っているようにありますがそれは「あなたが持つ強みに合った職場環境を備える理想的なものだ。」と記事では”強み”とも言っています。
確かに、私は比較的(というかかなり)”作業に没頭できる才能”を持っているので気づかなかったのですが、世の中そんなに”作業に没頭できる人”はいないことに気づきました。もちろん頭脳的な意味での作業です。
ぜひ日本でもアクチュアリーと言う職業が世の中にある程度認知してもらえるとともに、優秀な若者たちの生きる選択肢になっていただければ幸いです。


