8月23日、カンザスシティー連銀が主催するジャクソンホール会合が開催されました。
米ワイオミング州で中央銀行総裁や学者、メディアの大集団を迎え、最近の経済・金融情勢、政策課題、中銀への影響などが議論されます。
本来は学術的な議論を交わす場であるのですが、近年は金融政策の方向性が示唆される場として投資家たちの注目を集めていました。記憶に新しいところでは、2022年の会合でパウエル議長が「パウエル議「インフレを抑制するために家計や企業に多少の痛みは伴う」とコメントし、各指数が3%以上下落しました。
2023年会合も注目を集め、自然利子率の上昇について何かコメントがあるのではないかとの予想でしたが、「金融政策はデータ次第」を繰り返したのみで特に市場に影響はありませんでした。
今回の会合は「インフレは大幅に低下した。労働市場はもはや過熱しておらず、パンデミック以前よりも労働条件は逼迫していない。」や「方向性は明らかであり、利下げのタイミングとペースは、今後得られるデータ、見通しの進展、リスクのバランスに依存するだろう。」とハト派の発言が多く
「利下げの時が来た。」
”The time has come for policy to adjust”と締めくくりました。
Inflation has declined significantly. The labor market is no longer overheated, and conditions are now less tight than those that prevailed before the pandemic.
The direction of travel is clear, and the timing and pace of rate cuts will depend on incoming data, the evolving outlook, and the balance of risks.
他にも「われわれの目標は、インフレ期待があまり定着していなかった初期のディスインフレエピソードの特徴であった失業率の急激な増加を回避し、力強い労働市場を維持しながら物価の安定を回復することだ」 「任務は完了していないが、その成果に向けてかなりの進歩を遂げた。」とソフトランディングへの自信について言及しました。
Our objective has been to restore price stability while maintaining a strong labor market, avoiding the sharp increases in unemployment that characterized earlier disinflationary episodes when inflation expectations were less well anchored.
While the task is not complete, we have made a good deal of progress toward that outcome.
利下げに関して明確なメッセージを受け取った株式市場は上昇しました。
金利も全年限で低下しました。