世界で続々と追加財政対策を決定。

コロナショック

寒くなってきたせいなのな、ウイルスが人類に対抗して変異しているせいなのか、新型コロナウイルスの感染者が再拡大しています。あわや全世界で1億人に達しようとしており、これに合わせて、全世界の政府は続々と追加の財政政策を打ち出しています。

4月~5月に各国は経済対策を打ち出していましたが、この年末になって米国・日本と追加の経済対策が成立しました。コロナ対策に関連した世界の財政支出や金融支援は13兆ドル(1340兆円)を超えました。世界の政府債務は第2次大戦後を超えて過去最大となりました。

米国の追加経済対策

米国では、2000ドルの個人給付を巡って、議会とトランプ大統領で対立していた追加経済対策でしたが、28日には政府予算の期限切れが迫っていることから、一転して2020年12月27日にトランプ大統領が署名・成立しました。

米議会は21日に経済対策法案を可決していましたが、トランプ大統領は26日にツイッターで「自分は600ドルというケチな給付案ではなく、偉大な米国民に2000ドルを届けたいだけだ。」などと書き込み、議会に改めて法案の修正を要求していました。

米政権・議会による経済対策の発動は、3月初旬の第1弾(83億ドル)以降、今回で4回目です。合計の財政出動の規模は4兆ドルと国内総生産(GDP)比で20%前後となりました。

今回の経済対策は、今年3月27日の経済対策に次いで米国史上2番目の規模の財政出勤となりました。中小企業向け支援に3250億ドル、旅客減が深刻な航空会社に150億ドル、ワクチンの普及など医療体制の整備には690億ドルを拠出し、国民1人当たり600ドルの給付金および、26日に期限が切れた1200万人分の失業給付を再延長を含め、総額9000億ドルの規模になりました。

また、「大きな政府」を掲げる民主党のバイデン大統領は、早速第5弾の追加経済対策に意欲的であり、議会が始まる1月20日には何らかの動きがあるとのことです。

バイデン次期米大統領は8日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた追加経済対策を14日に公表すると明らかにした。現金給付の拡大や地方政府への支援などで「数兆㌦規模になる」という。政権発足前に議会に提案して実現を呼びかける構えだ。

バイデン氏は地元デラウェア州で開いた会見で、8日に発表された2020年12月の雇用統計で非農業部門の就業者数が前月比14万人減ったことに触れ「家計や企業に速やかに追加の支援をしなければいけない」と強調した。

日本経済新聞(2020/1/8)より

日本の経済対策

日本政府は2020年12月8日の臨時閣議で、新型コロナウイルス感染拡大に対応するため、事業規模73.6兆円の追加経済対策を決定しました。経済構造の転換・好循環の実現に向けた事業は51.7兆円を占め、デジタル化や脱炭素化も加速させる内容も織り込まれました。

これまでの対策を含めた事業規模はGDPの約6割に相当する300兆円を超える規模です。内容は、新型コロナ感染症の拡大防止策に6兆円、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現に51.7兆円、防災・減災・国土強靭化推進に5.9兆円です。全体の規模は、これに予備費を加えた73.6兆円になります。

話を米国に戻しますが、南部ジョージア州の2議席を争った1月5日の決選投票で民主党が2勝しました。民主が大統領選の勝利に加えて上下両院で多数派を確保する「トリプルブルー」となり、1月20日に発足するバイデン次期政権にとって法案が通り易くなります。

東京新聞(2020/12/17)より
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