投資しているわけでも投資したいわけでもないロシアの株式・債券ですが、歴史的な状況になっていますので、史実としてこのブログでもまとめておこうかと思います。
まずは債券(国債)についてですが、各国の経済制裁の影響で、とうとう
CCC-(マイナス)
に引き下げられました。直近のレイティング「BB+」から8段階の引き下げだそうです。
CCC
債務者は現時点で脆弱であり、その金融債務の履行は、良好な事業環境、金融情勢、および経済状況に依存している。
S&Pグローバル「S&Pの格付け定義等(2021年11月10日)」より
ロシアは一時、中国やインドなどと並び経済成長が期待される新興国(BRICS)の一国として注目され、国外から巨額の投資を集めたが、2014年のクリミア危機以降は投資先として避けられてきました。
そのため、外国人が保有するロシア国債(ルーブル建てとその他の通貨建て含む)は約600億ドル(約7兆円)で「大きいとは言えない」水準で、デフォルトが生じても、金融市場全般に悪影響が広がるリスクは限られるそうです。
ちなみに日本や米国の国債”発行額(年間)”は、100兆円から300兆円の単位です。
「国債の残存の発行残高」と「政府債務」が等しいのかは自信がないのですが、政府債務で比較すると米国は2300兆円(GDP対比104%)、日本は1300兆円(GDP対比237%)、ロシアは約25兆円(GDP対比17%)となり、世界全体のマーケットで考えると、微々たるものだということが伺えます。
株式でも、インデックスからロシアが除外されるという動きがありました。
最もメジャーなインデックスであるMSCIでは、ロシア株を資本移動に規制があり流動性が低い「スタンドアローン市場」に分類変更し、全てのMSCI指数で3月9日の取引終了時に1回のステップで実施するとのことです。
なお、ロイターによるとロシア株は、MSCIの新興国株指数における構成比が3.24%、世界株指数におけるウエートが約0.3%となっており、影響は小さいようです。
ちなみに、ちゃんとMSCIのFactsheet(2022年2月28日)は確認したのですが、ロシアは構成比が小さく「その他」に分類されてしまっていました。
何はともわれ、早く戦争が終わってほしいです。