株価が大高騰。2023年末着地予想を振り返る。

インフレショック

米国株価が5連騰しました。この1週間で5%以上上昇しました。(S&P500換算)

年初来でも14%上昇と、この1週間で見事なV字復活を決めてくれました。

突然の株価上昇の要因は3つあります。

一つ目は弱かった雇用統計。

米雇用統計、10月の非農業部門雇用者数は15万人増-失業率3.9%
10月の米雇用者数は予想以上に伸びが鈍化し、失業率はほぼ2年ぶりの高水準となった。労働者に対する雇用主の旺盛な需要が冷え込みつつある兆候を示した。

様々なニュースで取り上げているので、ここで語る必要なないと思いますが、非農業部門の雇用者数が前月に比べ15万人増と市場予想(17万人増)を下回った他、失業率が3.9%に上昇したことやISM非製造業景況指数も51.8と前月の53.6から悪化しました。

平均時給も前年同月に比べ4.1%上昇にとどまり、この1年半の間では低い水準となりました。(FRBが目標とする2%の物価上昇率に整合的な賃金上昇率は3.5%前後とされ、まだ距離がありますが。)

これを受けて、上昇が懸念されていた長期金利が低下。米10年利回りは4.5%台まで下落しました。短期金利はそれほど大きく低下しなかったため、逆イールドの解消とはなりませんでした。

もう一つの要因は、好調な米国決算。REFINITIVによると、S&P500企業の8割の決算発表が終了し、収益率上昇率(エネルギーセクター除く)は予想の5.7%に対して11.1%であり、事前の市場予想を上回った企業は81.6%だったのこと。好調というか、いつも通りではありますが。

  • The 23Q3 Y/Y blended earnings growth estimate is 5.7%. If the energy sector is excluded, the growth rate for the index is 11.1%.
  • Of the 403companies in the S&P 500 that have reported earnings to date for 23Q3, 81.6% reported above analyst expectations. This compares to a long-term average of 66%.
  • The 23Q3 Y/Y blended revenue growth estimate is 1.2%. If the energy sector is excluded, the growth rate for the index is 3.4%.
S&P 500 Earnings Dashboard 23Q3 | November. 3, 2023より

バンク・オブ・アメリカのストラテジストも”今後1年間”で15.5%の株価上昇を見込んでいるとのことですから、安心して年末年始を過ごせそうです。

BofAの別のストラテジストのチームも今週、同行の逆張り指標がほぼ買いシグナルを付けており、向こう1年のS&P500種で現水準から15.5%のリターンが示唆されると論じた。

bloombergより
米国株に年末高の期待、テクニカルもはや障害にならず-BofA
米S&P500種株価指数の年末高に向けて、テクニカル要因はもはや障害にならないと、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト、マイケル・ハートネット氏が主張した。
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