以前、パッシブ運用とアクティブ運用の違いについて記事にしました。
パッシブ運用はインデックスをベンチマーク(比較対象)として運用をします。今回は代表的なインデックスをご紹介したいと思います。ここでとある確定拠出年金向けの投資信託を見てみましょう。
![](https://iwashi-journal.com/wp-content/uploads/2019/04/野村DC50-1024x460.jpg)
確定拠出年金向けの運用商品は、通常の投資信託と異なり「バランス型」の運用商品が充実しています。
投資信託は、それなりに運用の知識がある人向けなので、国内株式の投資信託、外国株式の投資信託、と資産クラスが統一された投資信託が多いかと思います。
一方で、確定拠出年金は、「入社したら企業年金として勝手に加入させられていた」「この10年間何に投資しているか知らない」といった運用知識がない人が主なので、とりあえず4資産に分散した商品が用意されています。
前置きが長くなりましたが、大抵このバランス型の運用商品に使われているインデックスが、「代表的なインデックス」かと思います。
わけのわからないアルファベットが並んでいますが、順に説明していきます。
野村BPI(総合)
国内債券の代表的なインデックスです。
名前の通り、野村證券金融工学研究センターが算出・公表しています。なので、手っ取り早く野村証券界隈のホームページを引用すると
野村證券金融工学研究センターが算出・公表する、日本の公募債券市場全体の動向を反映する投資収益指数(パフォーマンス指数)のこと。債券運用のベンチマークとして利用されている。BPIは「ボンド・パフォーマンス・インデックス」の頭文字。
野村証券ホームページより抜粋
銘柄の入替は毎月末に実施され、翌月1ヵ月間については組み入れ銘柄は固定される。
![](https://iwashi-journal.com/wp-content/uploads/2019/04/NOMURA-BPI201903J.jpg)
まとめると、額面10億円以上の国内発行債券で、格付けがA格以上の国債・金融債が構成銘柄です。
インデックスを組成する銘柄の構成状況は以下の通り。12,853銘柄で構成されており、国債が額面の8割を占めています。(2019年3月末)
![](https://iwashi-journal.com/wp-content/uploads/2019/04/野村BPI-構成銘柄.jpg)
TOPIX(配当込)
国内株式の代表的なインデックスであるTokyo Stock Price Index(東証株価指数)です。名前のとおり、東京証券取引所で開発・算出されています。
![](https://iwashi-journal.com/wp-content/uploads/2019/04/topix_logo.jpg)
TOPIX(東証株価指数)とは、東証市場第一部に上場する内国普通株式全銘柄を対象とする株価指数です。
東京証券取引所ホームページより
昭和43年(1968年)1月4日の時価総額を100として、その後の時価総額を指数化したものであり、日本経済の動向を示す代表的な経済指標として用いられるほか、ETFなどの金融商品のベンチマークとして利用されています。
TOPIXは、簡単に言うと、東証一部に上場(約2,100社※)する国内普通株式の全銘柄の時価総額平均です。
※2019年4月現在
また、TOPIXには「配当なし」「配当込み」があり、配当金を再投資した場合の「配当込み」が、国内株式インデックスとして主に使用されます。
TOPIXの上位銘柄は以下の通りです。上位15位で全体の20%を構成していました。
![](https://iwashi-journal.com/wp-content/uploads/2019/04/TOPIX上位15.jpg)
FTSE世界国債インデックス(除く日本)
外国債券の代表的なインデックスであり、以前は米国の調査会社シティグループが算出していましたが(当時は「シティ世界国債インデックス」)、2017年にロンドン証券取引所グループがシティの債券インデックス部門を買収したことにより、現在の名称になりました。
FTSEはイギリスの会社名で、「フッツィー」と読みます。
日本を除いた、 FTSE世界国債インデックス(除く日本 )を 使うことが一般的で、FTSE- WGBI(ex:JAPAN)と表記されることもあります。
※WGBI=World Government Bond Index
※ex=exemption
WGBIの名前の取り国債のみのインデックスです。 23ヶ国の国債から構成され、構成割合は以下の通り。
![](https://iwashi-journal.com/wp-content/uploads/2019/04/WGBI①-1024x367.jpg)
![](https://iwashi-journal.com/wp-content/uploads/2019/04/WGBI②.jpg)
FTSE Russell Factsheets(March 31,2019)より
構成国の38%がアメリカ、19%が日本、欧州が30%程度といったところでしょうか。
ちなみにEMEAは、「Europe, the Middle East and Africa」の略です。
![](https://iwashi-journal.com/wp-content/uploads/2019/04/1200px-EMEA_region_worldmap.svg_-1024x526.png)
MSCI-KOKUSAI
最後は外国株式(日本を除く)のインデックスです。
外国のうち先進国のみの株式の指数です。「MSCI」は「モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル」を意味しており、「KOKUSAI」は日本除く 22ヶ国の先進国の中型・大型株から構成されています。
Australia, Austria, Belgium, Canada, Denmark, Finland, France, Germany, Hong Kong, Ireland, Israel,Italy,Netherlands, New Zealand, Norway, Portugal,Singapore, Spain, Sweden, Switzerland, the UK and the US.
![](https://iwashi-journal.com/wp-content/uploads/2019/04/MSCIKOKUSAI①.jpg)
![](https://iwashi-journal.com/wp-content/uploads/2019/04/MSCIKOKUSAI③.jpg)
MSCI FACTSHEET March 29,2019
![](https://iwashi-journal.com/wp-content/uploads/2019/04/MSCIKOKUSAI②.jpg)
MSCI FACTSHEET March 29,2019
時価総額平均で、 米国銘柄が約70%占めています。業種でみると、 IT・金融で約30%を占めていますね。
ちなみに、MSCI-KOKUSAIの他に、日本を含む先進国(上記22プラス日本)の株式インデックス「MSCI-WORLD」、途上国等(22ヶ国)も含んだ45か国の株式インデックス「MSCI-ACWI」といったものもあります。
![](https://iwashi-journal.com/wp-content/uploads/2019/04/MSCIACWI.jpg)
投資信託を選ぶときなど、参考にしてみてください。