アクチュアリー試験の今年の発表は2月24日なんですね。アクチュアリー試験は
クリスマスに試験、バレンタインデーに結果発表。
という陰キャには都合のいい日程だった記憶があるのですが、だいぶ遅くなりましたね。
クリスマスの時期に試験があったのは、その昔、試験会場が早稲田大学だったため、大学が冬休みでないと会場が確保できないという理由があったからだそうです。結果発表も、一次試験はマーク形式(前回からはCBTですが。)なので数日で結果が出るらしいのですが、2次試験は筆記なので採点に時間がかかったり、理事会で試験結果を諮るので、いろいろな都合上「バレンタインデー」付近になってしまうという話を聞いたことがあります。
もちろん私も大館賞(アクチュアリー試験を最短の2年かつ優秀な成績で合格。現在は大館賞とは呼ばず、理事長特別賞という名称になっている。)をとるような人間では全くないので、合格・不合格の両方を味わってきました。
wikipediaでは平均8~9年かかると書いてありますが(10年前くらいから変わってない。笑)、感覚的に
受かる人の平均は4~5年。
のイメージでしょうか。最近は学生時代から「科目持ち」が多いので、昔は1年に1科目合格と言われていた一次試験ですが、社会人になってからのカウントで2~3年、二次試験に2~3年というのが多いような気がします。
一度に全科目に合格する必要はないが、1次試験に全て合格しなければ(つまり準会員にならなければ)2次試験は受験できない。したがって最短では2年で正会員資格が取得できることになるが、実際には全科目合格までにかかる期間の平均は8年あるいは9年と言われており、資格試験の中でも医師国家試験や司法試験、公認会計士試験、第一種電気主任技術者試験、ITストラテジスト試験などと並ぶ最難関級の資格として挙げられることが多い。
wikipediaより
特に会計士や弁護士を増やそうと言って2016~2018年くらいから他の試験資格が易化した流れに乗って、アクチュアリーも昔の
損保数理が点数調整しても合格率一桁%(2005年)
という鬼畜なことはなくなったように思えます。裏話だと、普通に合格点を60点にしていたら合格率2%だったという話を聞きました。
<2005年の損保数理のリンク>
https://www.actuaries.jp/lib/collection/books/H17/H17C.pdf
1年に一科目受験だと、こんな理不尽な合格率のときに当たったら次に進めないですかね。やはり試験科目も資産運用と同様に分散投資です。
会計士や弁護士ほどではないですが、同じ金融系の証券アナリストやフィナンシャルプランナーと比較すると長丁場です。アクチュアリーをあきらめていく人は散々見ましたし、逆に10年かかっても受かる人はいます。やはり周りが遊んでいる中でも勉強したり、家族が出来て子供の世話に時間を取られたりする中で隙間時間を見つけて勉強したりと、モチベーションの維持が大切です。
そんな中で私の勉強のモチベーションは
正会員になったら車を買おう。
でした。しかもGT-R(R35)。
家に家族の人数分の車があるような地域で育ったので、身近でなにか高価な物といえば車くらいしかなかったのが正直なところです。また、田舎だと若者のステータスといえば、出身大学よりも勤めている企業よりも何よりも
”乗っている車は何か”
で品定めされます。
大学界隈の合コンだと、もちろん大学はどこだとか、学部はどこだとか、大学の後半になってくるとどこの企業に内定しているということがステータスになり、それによってその場の扱われ方も異なります。
そしてほとんど20歳前後で結婚している地元界隈で極稀に合コンに呼ばれると、その価値観は一転します。私以外は男女合わせて高校を卒業したらすぐ就職した人たちの中、一応地元のおじさん・おばさんには「すごいね」と言われる大学に進学していたのですが、合コン始まって最初に聞かれたのが基本
車何乗っているの?
でした。
周りの人間は、高校を卒業して就職して、初任給でローンを組んで車を買うことが当たり前の人間です。やんちゃな奴はシルビア(S-14とかS-13とか耳にした記憶)、大抵はBb(今もあるのかな?)と言ったワンボックスぽいの、実家が太いやつはフォレスターとかヴォクシーとか。
そんな中、私は母親に借りた軽自動車ですから。笑
まず「何乗っているか?」の質問に対して「分からない。」しか答えられない。興味がありませんから。私の友達(今でも付き合いはありますが)も私の状況を察して日頃からあまり車の話題を振ってこなかったかと思います。それほど電車が通っていない田舎では、「車を何乗るか」は10代の頃が重要な選択なのだと思います。
というわけで私自身車にそれほど興味なかったのですが、旅行に行きたいとか時計が欲しいとかも全くなかったので、とりあえず
車でも買うかぁ(キラッ)。
ということを考えていました。もちろん東京で車を持つということは駐車場代がかかりますし、田舎と違って車で出社するわけではないので、あまり持っておく意味がありません。なので、実家に置いておいて、日ごろは父親にでも乗っていて貰おうかな、という気持ちでした。やはり父親も田舎の男。車は好きでしたから、親孝行の気持ちも込めて。
あとは価格帯でしたね。「車の値段は年収と同じくらい」という家賃は月収の3割の車版をどこかで耳にして、アクチュアリーの年収は1000万円を超えるという話とも合わせつつ、”目指すはGTR”になったわけです。国産車ですから、ベンツとかBMWより壊れるリスクもないだろう、と思いつつ。
そして紆余曲折・・・はあまりなかったですが、それなりに不合格を挟みながら合格。合格までにかかった時間は会社の中で比較的短い方だったのと、珍しい学卒(院卒でなはい)でしたので、年齢的にはまだ遊んでていい時期に試験から解放されることになりました。
同時期に合格した人たちは(先輩方でしたが)、院卒プラス時間も平均的に要し、もう30代でしたので
これで結婚できる。
という言葉を口にしていました。
そして私はというと、タイトルから察した方もいるかと思いますが
結局車どころか何も買いませんでした。
夢を壊してしまうかもしれませんが、そうそう若造が試験受かったところで給料は変わりません。外資となれば資格で物を言うのと、その先の昇給がシビアですので、転職時点では結構乗せてくれますが。
仕事も受かったところで何か変わるわけでもなく、昨日の仕事が今日も続きます。
そう
受かったところですぐには何も変わらない
のです。
受かった瞬間の状況は覚えていますが、そのあと何か買ったのかとか旅行したのかとか、打ち上げにどこか豪華なご飯を食べたとか、そんな数年前の話なのですが何も思い出せないですね。笑
ただただ勉強しなくて良くなったということしか変わりませんでした。
いつぞやのブログでも書きましたが、試験勉強は受かってからスタートです。加えて言えば、華々しいゴールが用意されたスタートでもなく、そのカード(私はアクチュアリーであるカードを「馬鹿ではないカード」と呼びますが。)をどう使っていくか次第で状況が変わる、普通のスタートです。
そのカードを使って何十年と同じ仕事をしている人もいれば、私の方にタイミングによって使う人もいますし、能力があればそのカードをまるでいつもコンビニで貰うレシートの如く捨ててしまう人もいます。(逆に受かることによって「背番号」が付いてしまうという人もいます。)
弁護士や公認会計士と違って、個人として独立できず、なかなか将来の選択肢を考える上では使い勝手が悪い資格であることは十分留意してチャレンジしてもらえるとありがたいです。
生保も損保も信託も、どんどん統合していってしまって、この数年間でも従来のアクチュアリーの活躍の場、つまり必要数が狭まってきたように感じます。受かった後も、是非新しい分野にチャレンジして貰って、アクチュアリーの活躍領域を広げてください。そしたらもっと好条件な私の就職先ができるかもしれないので。笑