インテル下がってる。

運用実績

2026年10月30日、米半導体大手インテル(Intel)の株価が約29%下落しました。

決算発表を受けた売りが膨らみ、一日で時価総額が約1,460億ドル(約22兆円)も失われる歴史的な急落となりました。キオクシアホールディングスに相当する企業価値が1日で消失したことになるそうです。

30%もの下落のきっかけとなったのは決算発表でしたが、今回の決算は過去の業績だけを見れば、決して悪い内容ではありませんでした。第3四半期の売上高は165億ドルで、前年同期比21%増加しました。また、Non-GAAPベースのEPSは0.52ドルとなり、前年同期の0.23ドルから大幅に改善しています。営業利益率も前年同期の5.0%から15.3%へ大きく改善しています。

問題は、会社側が示した第4四半期の業績見通しです。

売上高の見通しは150億〜160億ドルとされ、市場予想の約170.7億ドルを大きく下回りました。調整後EPSの見通しも0.25ドルで、市場予想の0.43ドルに届いていません。株式市場が評価するのは、過去の業績だけではありません。むしろ重要なのは、これから先にどれだけ利益を伸ばせるかという点です。第3四半期の業績が良かったとしても、次の四半期に成長が鈍化するのであれば、投資家は将来の利益予想を引き下げます。

AI需要は拡大しているのに、インテルはなぜ苦戦するのでしょうか。

現在のAI市場では、NVIDIAのGPUが圧倒的な存在感を持っています。しかし、AIシステムはGPUだけで構成されているわけではありません。CPUはシステム全体の制御やデータ処理、各種タスクの管理などを担っており、AIデータセンターにおいても重要な役割を果たしています。生成AIの普及に加えて、AIエージェントのような複雑な処理を実行する仕組みが広がれば、CPUの需要も拡大する可能性があります。インテルにとって、これは本来大きな追い風です。

CPU(Central Processing Unit)とは

中央演算処理装置 (CPU) は、数十億個のトランジスターから構築され、複数のプロセシング・コアを持っており、一般にコンピューターの「脳」と呼ばれます。今日のすべてのコンピューター・システムに不可欠なものであり、コンピューターおよびオペレーティング・システムに必要なコマンドやプロセスを実行します。また、CPU はネットサーフィン、ゲームの物理演算実行などのタスクや、スプレッドシートの作成を行いつつ、プログラムをどれだけ早く動作させられるかを決める上でも重要となります。

GPU(Graphics Processing Unit)とは

GPU には、より小型で特殊なコアが多数搭載されています。これらのコアが連携して動作し、多くのコアに処理タスクを分割して同時 (または並列) に実行することで、圧倒的なパフォーマンスを実現します。GPU は、ゲームプレイ時におけるビジュアルのレンダリング、コンテンツ制作時におけるビデオデータの操作、負荷の高い AI ワークロードにおける結果の演算などといった、非常に並列的なタスクにおいて優れています。

CPU と GPU の比較: 違いを理解する
CPU と GPU の違いを理解し、用途とアーキテクチャーの利点、およびディープラーニングと AI を高速化するための役割について説明します。

ところが、PC事業の急減速とイスラエル工場の操業停止、そして製造コストの固定費負担が大きな足かせとなり、会社側が「Q3の利益水準をQ4には維持できない」と予想したことが、株価下落の大きな要因となりました。

まず、インテルの主力事業の一つであるPC向け半導体(CCPG)が弱含んでいます。第3四半期の売上高は81億ドルでしたが、前年同期比5%減、前四半期比9%減、第4四半期の会社見通しが前四半期比20%超の減少と見込まれています。背景には、メモリー価格の上昇と供給不足があります。メモリー価格が高くなるとPC本体の販売価格も上昇し、消費者や企業が購入を先送りしやすくなります。インテルは2026年のPC市場全体の出荷台数が約12%減少し、2027年も約10%減少すると予想しています。

もう一つの大きな要因が、10月14日に起きたイスラエルの「Fab 28」で発生した事故による操業停止です。作業員2人が死亡した事故で、2026年第4四半期から2027年第1四半期にかけて、約6億ドルの収益減を見込んでいます。

イスラエル中部のキルヤット・ガトにあるIntel工場(Fab28)のオフィス棟

そして今回、株価にとって特に重要なのが粗利益率の低下です。

半導体工場は、売上高が減少しても設備の減価償却費や人件費などの固定費がすぐには減りません。インテルはPC向け製品の需要に合わせてウェハーの生産開始を調整する方針ですが、それによって工場の稼働率が低下すると、製品1個当たりの製造コストが上昇します。加えて、利益率の高い製品・低い製品の売上構成も変化します。その結果、第3四半期のNon-GAAP粗利益率44.1%に対し、第4四半期は38.0%まで低下する見通しです。

10月30日の米国市場では、NASDAQ総合指数が前日比2.86%安となりました。S&P500も1.82%安、ダウ平均は1.09%安となり、主要3指数がそろって下落しています。同業銘柄もインテル程ではないですが、インデックス以上に下落しました。インテル固有の問題だけでなく、AI半導体市場全体に対する投資家の見方が変化し始めていることを示しています。

今回のインテル株の急落で、改めて考えさせられるのが個別株投資のリスクです。インテル株は一日で28.6%下落した一方、同じ日のS&P500の下落率は1.82%です。もちろん、S&P500も安全資産ではありません。金融危機や景気後退が発生すれば、指数全体が20%、30%と下落することもあります。それでも、個別企業の決算や経営判断によって資産の大部分を失うリスクを抑えられる点は、分散投資の大きなメリットです。

どれだけ財務分析を行い、将来性のある企業を選んだとしても、製造トラブル、経営判断の失敗、競争環境の変化、規制、地政学リスクなど、予測が難しい問題は発生します。インテルは半導体業界を代表する大企業であり、長年にわたって世界のPC市場を支えてきました。それでも、一日の株価が約29%下落することがあるのを今回学ばされました。

個別株には市場平均を上回るリターンを得られる可能性がありますが、その分、企業固有のリスクを引き受ける必要があります。なお、今回の下落で、過去5年間の運用成績がインデックス(S&P500)と逆転したようです。

個別株は”夢”がありますが、成功性の再現性は統計的にも困難な道であることは数学的に証明されています。

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”事前の期待”では、歯医者は間違いなく、ピンクのロールスロイスでお迎えつきのロック・ミュージシャンや、印象派の絵の値段を吊り上げている投機家や、自家用ジェット機のコレクションを持っている起業家よりも、かなりお金持ちだ。「まぐれ」より今回は不…
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