円建てのS&P500が最高値を更新したそうです。ドルベースですとまだ4300と、2021年12月につけた最高値の4800からは程遠い水準ですが、為替が当時の1ドル115円から140円への劇的な円安となったことが理由です。
日経平均も足元爆騰していますが、米国株だけでなく先進国株投資をしていれば5年で資産が2倍となりました。日本株もこの勢いが続くのか・・・。
さて
資産増えないかぁ。
と毎日頭の隅で考えているこの日この頃ですが、ふと「どこまで増やせば気が済んだろう」と思い、少し頭を巡らせてみました。もちろんできれば働かないで済んで、働くとしても通勤時間嫌だから都心に住んで、都内にも家が欲しいけど可能ならば少し郊外にも家を買って、広い駐車場があるのならば車も・・・と切りがありません。笑
普通は「年収を上げよう」と思うところですが、巷で話題になっているとおり、お金持ち=年収(フロー)が高いという概念でもなく、資産(ストック)の概念で目標積立額を考えたいと思います。
たとえば「高級住宅地に家を持っています!」といっても、全部住宅ローンだったら、会計の視点から見ると、純資産的には資産と負債が相殺されてゼロ。「ローンに相当するくらいの建物価値はないよね」と判断されてしまったら、負債のほうが上回ってしまいます。コレ、銀行評価ではよくある話です。これが、新聞や雑誌などでもよく取り沙汰される「持ち家VS賃貸のジレンマ」というヤツ。
東洋経済ONLINE「就活や婚活で「年収ばかり重視する人」の盲点」より
一方で、資産(ストック)をいくら持っていようと、結局は負債超過だったり、資産(ストック)をいくら持っていようとうまく活用できていなければ、毎日のご飯を食べることができません。ですので、ストックとフローを同じ測り方で比較できるよう、投資効率(ROIC:Return On Invested Capital)の観点から考えたいと思います。
まず、私は年収(フロー)は日本人の平均を超えていますが、現在金融資産しかありません。年収300万円の人と比較した場合、お金持ちか?と言われると明確には答えられません。もしかしたらその年収300万円の人は3億円の金融資産があるかもしれませんし、それなりの確率で東京の実家に住んでおり、いつかはそれを相続する時が確実にくる人なのかも知れません。
なので「どれくらいお金持ちか」という尺度には年収(フロー)はもちろん関係はありますが、それ以上にストック(資産)の概念も必要になります。
例えば家の話を掘り下げると、まず東京23区で家を持つとなると1億円は普通に必要です。ということは東京生まれの戸建て一人っ子で生まれてきた場合、すでに1億円の資産があると同義です。
究極に田舎で、農家出身なので敷地内に納屋や離れ等、居住スペースがたくさんあり、庭で野球ができようと、資産価値はほぼゼロです。生まれた瞬間に1億円のビハインドです。
「別に不動産投資して収益(フロー)を生み出しているわけではない」と思うところですが、2LDK程度の物件に賃貸で入るとなると、毎月20~25万はかかります。本人は何もメリットを感じていなくても、資産のない自分と比較すると、家賃分は節約できており、少なくとも年収300万程度のかさ上げになります。もしちゃんと不動産投資を考えるならば4~5%のリターンが狙えるので、それだけで年収4~5百万円換算になります。
もう一つ考慮したい点は「共働き」かどうかという点。最近はタワーマンションの需要増に「パワーカップル」という言葉がよく出てきます。昔は「夫が働いて妻は専業主婦」という厚生労働省のモデル世帯であったものが、今では共働きが普通になってきました。
パワーカップルとは、夫婦の両方が高収入を得ている共働き夫婦のことです。夫または妻のどちらかだけが高収入を得ている場合は、パワーカップルの定義には当てはまりません。たとえば、夫の年収が2,000万円であるのに対し、妻の年収が200万円であれば、単に夫の年収が高い家庭です。パワーカップルと呼ぶには、夫と妻がそれぞれ一定以上の年収を得ていることが条件になります。たとえば、夫と妻がそれぞれ年収1,000万円を稼いでいれば、パワーカップルに当てはまるでしょう。
ARUHIマガジンより
私の周りでも旦那と収入がそれほど変わらない奥さんをよく見ます。理系出身だからですかね?奥さんが金融とかメーカーの研究職とか結構多いので。
これも下衆ながらもアクチュアリーらしく、数字換算していきます。こちらはフローからストックへの換算です。さすがに年収1000万円の奥さんは捉まえられないとして、平均年収である400万円の共働き家庭を想定します。今現在米国国債の利回りが4%ですので、金融資産で極力安定的に同じ額を稼ぐためには逆算すると資産(ストック)として1億円が必要になります。
ということは、「東京に生まれ」かつ「共働き」の家庭と比較すると、ストックも別のフローも何もない自分が同じ水準の生活を望むとなると資産(ストック)換算で
2億円。
必要であることが分かります。
彼自身は「普通に生まれ」て「普通に出会った」だけです。一方で田舎で生まれ、今後もし専業主婦の奥さんと出会ってしまったら、彼らの「普通・当たり前」を手に入れるためには現在価値換算で2億円必要なわけです。2億円あって、やっと彼らと同じ目線で生活クオリティの話が出来るのであって、東京のもっと内側の生活の話や、車を持つ持たないはさらに先の話になります。
フロー(年収)増やせばいいじゃんという話ですが、これ以上はただただ税率が上がっていくだけなので、頑張った分の増加率に対する投資効率が断然悪化していきます。配当課税(20%)はとても素晴らしいのです。
悲しいかな。実際に周りを見ると、このようなカップルばかりでして、そのカップルたちが「車は買えない」「金銭面で子供の教育の選択肢が狭まる」と言っています。ほんと。すごい世の中です。
早く株価10倍にならないかな。