以前、水投資で記事に取り上げたマイケル・バーリ氏。
2008年のサブプライム危機で、あのゴールドマンサックス相手に勝負を仕掛けて、見事勝利した投資家として注目されました。
2015年に公開された「マネー・ショート」でも本人の名前が出てきます。
そんな中で、マイケル・バーリ氏は日本株に注目しているとのニュースが。
ヘッジファンド投資家のマイケル・バーリ氏は、指数連動型商品や上場投資信託(ETF)に資金が流入しバブルの様相を呈している中、極度に過小評価されている日本の中小型株が素晴らしい投資機会をもたらしているとの認識を明らかにした。
約3億4300万ドル(約363億円)規模の資産を運用するサイオン・アセット・マネジメントを率いる同氏は、すでに日本企業8社の株式を保有し、経営陣に企業価値を高めるよう促しているという。
bloomberg 2019/9/4
マイケル・バーリ氏の保有銘柄
もう9月の記事なので、少し古い情報です。現在保有している銘柄8つは以下のようです。
①トーセイ
マンション建設・販売やオフィスビル賃貸を手掛ける。バーリ氏は株価収益率が約7倍で割安なほか、機を捉えて自社株買いを実施、資本配分を含め全事業でよく機能しているとし、多めに保有している銘柄の一つと説明。
②カナモト
建設用機械・機器のレンタルを手掛ける。「クレジットの観点から見てしっかりとした運営がなされている」とバーリ氏。「機器や企業全体の取得にも目を向けており、日本には多くの再編余地がある」と分析。
③アルプス技研
さまざまな業界向けに技術者・人材の派遣事業を運営。「農業や介護分野に事業を拡大する中で、最近の移民法改正の恩恵を受ける」とバーリ氏は予想。2014年以降、1株当たり利益は2倍余りに増加。売上高は50%増えていると説明。
④日本ピラー工業
メカニカルシールやガスケット、グランドパッキンなど、さまざまな産業機械の液体漏れを止める製品を提供。「在庫を一掃し、成長が再開する中、セクターでも高ベータ銘柄」だとして、株価反発を見込む。
⑤村上開明堂
自動車用ミラーなどを製造。同社は事業の成長見通しを示し、自社株買いや配当を実施しているが、それだけでは十分でないとバーリ氏は指摘。株価は年初来で1.5%安。18年は35%下落した。「こうした状況ではもっと劇的な行動が必要で、株式の3分の1以上の公開買い付けや大規模な特別配当などを期待している」と語った。
⑥タツモ
半導体製造装置を手掛ける。サイオンは5.1%を保有(ブルームバーグ集計データ調べ)。「対象とする市場の潜在力を高めるため、自社事業に投資する必要がある」とのこと。
⑦ヨータイ
高炉向けなどに耐火物を製造。同社には3月末時点で44億円の現金および同等資産があり、自社株買いするべきだとバーリ氏。サイオンは5%保有。
⑧ 三精テクノロジーズ
エレベーターや舞台装置、テーマパークの乗り物などを製造。「債務を返済しキャッシュフローを改善させ、次の買収に備えるべきだ」とバーリ氏
まとめ
報道があってから2019年末までのパフォーマンスをまとめたものが、以下の通りです。
全ての銘柄がそれなりに上がったかと思えば、そうでもありませんでした。そもそも日経平均が15%以上上昇しましたからね。ちなみに今回TOPIXと比較しなかったのは、TOPIXだと配当込のインデックスになってしまったからです。配当抜きのインデックスデータはネットには落ちていないようです。
PBRも比較的低いものが多いですね。2020年の買い付け銘柄にいくつか選んでみましょうか。