お金がどんどん減ってます。
S&P500は年初来で1.68%の下落に留まっていますが、円ベースで見ると10%近く下落しています。欧州株が好調なので、外国株式(MSCI-KOKUSAI)が優位になっています。

気づけば、ハイテク株(ナスダック100)は円ベースで最高値から10%以上下落し、トランプ大統領当選後の上昇分を全て掃き出してしまいました。これはドルベースでも同様で、S&P500でも大統領選時の水準をとうとう割ってしまいました。

やはり足元の関税政策とそれに絡むインフレ懸念が市場の不透明感を増し、リスクオフ相場を作り上げています。ベッセント財務長官7日、「市場も経済も中毒になっていた。われわれは政府支出に病みつきになっていた。この先はデトックス(解毒)の期間になる」と意味深なコメントを残していました。加えて、株式相場を下支えするためにトランプ大統領が政策を転換することはあるのかと問われると、ベッセント氏は株式アナリストらがいう「トランプ・プット」といったものは存在しないと言明しました。
トランプ氏が自身の政策を推し進める中、少し前まではそれほど厄介には見えなかった幾つかの厳しい現実が立ちはだかっている。
特に同氏は当初発表していた関税の一部を撤回しながらも、新たな関税を課すとの方針を変えていないため、インフレの抑制は容易ではないとみられる。消費者や投資家の不安が募り、経済は減速しつつあるように見える。
トランプ政権のメッセージ、痛みなくして米経済の復活なし米経済は病んでいるという認識のトランプ米大統領は、経済の立て直しという公約を掲げて選挙戦を勝ち抜いた。2期目のトランプ政権が始まってから1カ月半が過ぎ、その治療は痛みを伴い得るという兆候が表れ始めている。
恐怖指数とも呼ばれるVIX指数も反応しました。12月以来、久しぶりに節目の20を超えました。

現在はまだ25程度の水準で上げ止まっていますが、一方で、いつかは下げ止まって上昇に転じるのが市場の経験則ではあるので、一定程度の悲観相場は”買い時”とも言われています。VIXが過去7日継続して30を超えた場合、1年後院は88%の確率で上昇していますし、平均値としても中央値としても20%以上上昇していることが分かります。


過去2回だけ1年後がマイナスのリターンとなっていますが、これはドットコムバブル崩壊と世界金融危機の際のことです。
加えて米国の利下げ期待が高まってきました。
FEDWATH(3月7日時点)によれば、2025年中の利下げ期待が一時期2回程度になっていましたが現在では4回程度に拡大しています。


ただしFRBのパウエル議長は「経済は好調」としながらも、あくまでも”データ次第”というスタンスは崩しておらず、しばらくは出てくる経済指標に一喜一憂する時期が続きそうです。
ニューヨークで開かれたシカゴ大学ブース経営大学院の経済フォーラムでの演説で「新政権は貿易、移民、財政政策、規制という4つの異なる分野で重要な政策変更を実施している。変更とその影響をめぐる不確実性は依然として高い」と指摘。その上で、「FRBは見通しが変化するにつれて、シグナルとノイズを区別することに焦点を当てている。急ぐ必要はない。より明確な見通しが出てくるまで待つ態勢が整っている」と述べた。
経済は「引き続き好調」だと述べたが、経済指標は消費者支出の減速の可能性や企業の経済見通しに関する不確実性の高まりも示唆している。「こうした動きが将来の支出や投資にどのような影響を与えるかはまだ分からない」とした。 FRB、利下げ急がず 関税などの影響見極めへ=パウエル議長米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は7日、トランプ新政権の政策が経済にどのような影響を与えるかがより明確になるまで、FRBは利下げを急ぐつもりはないとの見解を示した。