国内金利が1%を突破。

市場環境

国内の10年利回りが1%を超えました。11年ぶりだそうです。

【日本市況】長期金利が11年ぶり1%到達、株式は下落-円は弱含み
22日の日本市場では長期金利が11年ぶりに1%の大台に達した。日本銀行による早期の追加利上げや国債買い入れ減額が警戒される中、この日行われた40年利付国債入札が弱めの結果となり、債券売りが膨らんだ。

また、金利上昇を受けてか「札割れ」が23日に生じました。日銀は、残りの期間が「1年を超え、3年以下」の国債を3750億円買い入れる予定でしたが、応札額は168億円少ない3564億円となり、日銀の応札額が買い入れの予定額に届かない「札割れ」となったのは、大規模な金融緩和が導入されて以降、初めてとのことです。

「札割れ」が生じた要因は、金利上昇によって短期債(金利上昇の影響を受けづらい)であっても含み損が生じ、「日銀に売る=損を確定する」よりも償還まで持ち切ったほうが経済合理性が高いと判断したためでしょうか。なお、年限が長い場合、損を確定してでも金利の高い債券に買い替えたほうが経済合理性が高いと判断されることが多いようです。

さて、日銀が国債を大量に購入する「異次元緩和」政策を導入した直後の13年5月以降金利は下がり続けました。

その後、2020年のコロナショックにより世界中で「ゼロ金利政策」に舵を切りましたが、あまりにも大規模な経済緩和政策であったため、2021年頃から世界中がインフレ環境に突入しました。

世界のインフレ(価格上昇)や円安の外部的な影響なのか、純粋に日本経済の立ち直りなのか分かりませんが、日本の物価上昇も2年8カ月連続で前年同月を上回っており、2%超えも常態化してきました。そのため、日銀が金融政策の修正(追加利上げ)に動くとの思惑から、債券売りが生じやすくなっているとのことです。

総務省より

金利上昇に伴い、国内債券インデックスも下落の一途を辿っています。金利が上昇し始めた2020年頃から、8%以上も下落しました。外国債券も参考に載せていますが、より金融政策引締めに動いているので、ピークから20%以上も下落しました。

逆に言えば「安くなった今が買い時」ということです。特に、外国債券の為替ヘッジ(以下「ヘッジ外債」)はヘッジコストが高止まっているため、海外金利で稼いでも手元にはヘッジコストの4~5%が引かれ、ほとんど手元に残りません。だからといって為替ヘッジを外すと、たださえ歴史的な水準まで円安まで進行してしまっているので、ここからの揺り戻しが恐ろしいです。

そういった意味で国内金利の上昇は投資家にとってウェルカムな環境かと思います。

具体的に証券会社の債券ラインナップを見てみると、20年債で1.68%、電力会社でも1.6%取れるようになってきました。なんたって10年以上ぶりですからね。

まだ利上げは続きそうなので、国内投資を本格化するにはまだ先のようですね。

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