アクチュアリー試験時代にマルチ商法で友達を失った話③ 幹部との面談そして脱走

アクチュアリー

幹部との1対1の面談が決まりました。

場所はパークハイアット東京、西新宿のホテルです。ランチをしようということになりました。上の方の階にあるレストランでした。今調べるとレストランフロアは39-52階だそうです。正直何を食べたのか忘れましたが、フレンチっぽいメニューで、確か4千円くらいのものを奢って貰った記憶があります。

仕事何してるの?とか、何でお金稼ごうと思ったのか?と他愛もない話をしました。それこそアクチュアリー試験というものを受けていて、とりあえず先の人生はそれが受かってから考える、参考書代くらい稼げればいい、と回答した記憶があります。この後の脱走の伏線にもなると考えていたので。ギラギラ感が足りない等と、特に雰囲気が悪くなるわけでもなく

「目標に向かって素直にできるやつが成功する」

ようなことを言われ、何か強く勧誘されるとかもありませんでした。

逆にこちらから、良くこのホテルは来るんですか?とか、不労所得になると毎日どんな生活をしているんですか?という質問をして、週2~3日は朝飯兼昼飯で良くくるよとか、ゴルフ・麻雀・ダーツ・テニス・卓球は散々時間を費やしてプロ並みなったが、そうなると飽きてしまう、次に何か熱中することを探しているという話を聞きました。

そこまで緊張していたわけではないですが、これ以上の内容は覚えていないです。

1時間ほどでしょうか。長すぎず短すぎない時間でランチ会は終わりました。なかなか結婚式以外でこんな高級なホテルで食事はしないので、上京したばかりの田舎者にとっては良い勉強になりました。正直、このような経験をして「自分も毎日高級ホテルでランチするんだ!」とか「不労所得で毎日遊ぶんだ!」と何かモチベーションが上がるわけではなく、初めて不労職得という階層の人間に会って

最後は「暇」に困るんだ

という意外な答えが出てきたのが驚きでした。後々Bさんから聞いたのですが「何かに熱中できるやつは伸びるよ。」と幹部から言われたそうで、Bさんは喜んでいました。

いよいよこの話のクライマックスに入っていきます。幹部との食事会から間もなく、幹部のマンションでの集会に呼ばれます。前回もただだらだらとご飯食べてお酒飲んで・・・とタダ飯・タダ酒ができるということで何の疑いもなく2度目となる11階のマンションのドアを開けます。

ドアを開けてから、”この光景”を見るまでの記憶が飛んでいますが、まぎれもなく幹部を頂点として下々が頭を垂れている光景を目にしました。下々はまさに幹部の子供に該当するメンバーであり、マンションの一室で20人ほどが集まって、まさに”集会”が開かれていました。

一体自分はどこに畳んずんでいいか困っているとBさん・Cさんから「今日は見ているだけでいいよ」と言われ、体育のドッチボールをコート外で見学するように、部屋の端っこで体育座りにして繰り広げらる光景を目にしていました。

何が始まったかと言うと、1人1人が順番に幹部の前に立ち「この1週間やったこと」「何人勧誘した事」「売上の進捗」「今後の目標」を大きい声で幹部に報告するというものでした。

それに対して幹部が「やる気あるのか?!」「こうするべきだろ!」と激を飛ばしていきます。

ドン引きです。

そしてこのとき

マルチ商法を確率論

として理解しました。

おそらくマルチ商法で成功する人は、普通のビジネスをやっても成功します。幹部然り、ここで罵られている人然り、やることやってます。むしろサラリーマンよりプレッシャーが半端なく、これで不労所得を得ても不労所得なのか?と思うほど皆行動しています。幹部も「不労所得」と言っていましたが、こうやって進捗管理するということは

それは労働ではないか?

とこの光景を見ながら素直に思ったのを鮮明に記憶しています。

結果として、マルチ商法は1000人に1人くらいは本当に成功すると思います。ただしその確率を10人1人くらいに起きているように偽って仲間を集めるということに問題があるのかと思いますし、それを真に受けて「おれも海賊王になれる」と集まってくる人がいます。結局は「Dの意思」じゃないとなれないのに。

この一件を境に、このコミュニティーからの脱出を図ります。

マルチ商法のきっかけとなったBさんからは何度か電話がありました。電話で話したのか、直接会って話したのか忘れましたが「幹部にも伝えたが自分の人生の最大の目標はアクチュアリー試験の合格」「(確か夏の終わりの季節だったので)これから試験に向けて本腰を入れなくちゃいけない」「先日のような進捗管理があるのは想定外。勉強に支障が出るので合格するまで活動=マルチ商法からは距離を置きたい。」「しばらくは消費者として続けるが、試験がひと段落したら頑張りたい」「ただ合格まで平均7年かかる」とそれっぽいことを並べて、特にしつこい引き止めもなく現在に至ります。

アクチュアリー試験

が初めて人生の役に立った瞬間でした。

自分自身に起きたことは以上ではあるのですが、実はAさん(もともとのコミュニティのきっかけとなった人)もこのマルチ商法に勧誘されていたとのことでした。ちょうどBさんに対して「距離を置きたい」と伝えたときに発覚した話でして、自分と同時にAさんはBさんと連絡を取っていたとのことです。

Aさんは最初加入に渋っていたそうですが、Bさんが「”いわし”はもう加入したよ。」と伝えたところ「あいつが入るのならば」ということでAさんも加入したと聞きました。Bさんからは「これから2人で頑張っていくんじゃないの?!」と言われましたが、Aさん側から全く何も聞いていませんし、もちろん自分が直接何か勧めたわけでもないので、何の感情もなく私自身はフェードアウトしました。

その後、Aさんの彼女から「また怪しいことしているんだけど何か知らない?」というヒアリングが入り、事の経緯(経緯と言ってもラストの部分しか知りませんが)を説明すると前述した通り「少し前も別のマルチ商法でアパートの一室を在庫の山にした。」ということを聞きます。

何とか在庫は処分して2度とこんなことはやらないと約束したのに「”いわし”も入ったから大丈夫」と今度は別のマルチ商法に加入してきたと言われました。結局この一件で二人は分かれたことを風の噂で聞きます。Aさんのマルチ商法界隈での活動は何も耳にしませんでしたが、Aさん自身も東北の実家に帰ったという話も風の噂で聞くことになります。意図せずAさんを勧誘してしまった罪悪感から連絡はこれっきりです。

自分は長男ですが、東京の遊び方をいろいろ教えてくれたAさんをなんとなく

東京の兄

と慕っていたこともあり、寂しい別れになってしまいました。

その後も強い引き止めがあるのかと思ったら特に連絡もなく「こんなもんか」と少し悲しい気持ちになりました。この一件があってからなんだかシャンプーにこだわるモチベーションがなくなり、これ以来ずっと王道のサクセス薬用シャンプーを使っています。毛根もなんとか元気にやっております。

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