日経平均が配当を含めるとバブル期を超えたそうです。

市場環境

モーニングスターのレポートで面白いものを見つけたので紹介したいと思います。

日経平均は11月には1991年以来、約29年ぶりに26,000円台を回復した。12月に入っても上昇基調は続き、2日と3日は2日連続で26,800円を上回っているものの、1989年12月29日につけた史上最高値の38,915円との比較では、いまだに3割以上下回った水準にある(図表1参照)。日経平均の知名度は高いものの、配当を考慮していない「配当除く(無し)」指数であるため、「配当込み(有り)」指数である日経平均トータルリターンインデックスをみると、1989年12月29日の43,200円に対し、2020年11月25日には43,404円と、すでに約31年ぶりに史上最高値を更新しており、12月には44,000円台を維持する場面もあった。

Morningstar アナリストの視点(2020/12/10)

11月の大統領選挙後から株高は進み、10月の後半に23000円だった日経平均株価は12月10時点であわや27000円にまで届こうとしています。一方で、バブル期に付けた43,200円にはまだまだ届かない水準ですが、配当を勘案すると、当時の水準まで戻ったということです。

つまり、バブル期に掴んでしまった投資信託が、あれから30年以上の時を経て、やっと”プラスマイナス0”まで戻ってきたということです。(運用報酬は考慮しない)

「失われた20年」がいつの間にか30年になり、デフレが当たり前、金利が0%であるのが当たり前の世界になってしまいました。底値を打った2010年頃からはアベノミクス効果もあって順調に株価は上昇してきましたが、企業の内部留保は増える一方で、給料への転嫁はされてきませんでした。

東京新聞(2019/9/3より)

一方で、このブログでも主な投資対象先として取り上げている米国はどうなったかというと、株価が10倍になりました。また、これは配当を再投資してないいわゆるキャピタルだけの数字なので、配当を入れるともっと上昇率が高くなります。配当込みのインデックスが巷に落ちていなかったので概算になりますが、NYダウもS&P500も配当利回りが2%と考えると、2%の30年複利が約1.8倍となるとで、軽く見積もっても15倍(キャピタル10倍×配当複利1.5倍)になったということが分かります。

NYダウ

30歳当時に200万円の資金があれば、ふと思い出して定年間近(60歳)に口座を確認すると3000万円に増えていたという夢ような話です。これは貯金ばかりしている国民に対して、麻生大臣も「とりあえず2000万円貯めろ」と言いたくなりますね。

一度にお金を投資しなくても、30歳から月に2万円(年24万円)貯めたとすると、30年で元本は720万円になります。しかし、上記の株価上昇が生じていれば約5000万円(定期積立だと複利効果が半分になると考えるので、720万円×15÷2=約5400万円)となるわけです。

その差、4000万円です。

ちなみに月5万円(30年間継続)だと、運用で得られる額は約1億2000万円・・・。過去のデータが将来を保証するものではありませんが、何も考えず株式に投資している労力を考えると、貯金しているのがばからしくなりますよね。確かに当時は貯金でも数%の利息は付いてはいたのですが。

30年で15倍になるということは、平均年率7-8%の上昇が必要です。30年間の上昇(下落)率の分布は以下のとおりです。上昇した年が22、下落した年が7と勝率は約7割となりました。(2011年はプラスマイナス0%)

macrotorendsより

数字にすると、意外と20%以上の年が多く、こういったタイミングに収益率をかさ上げしているようです。下落は2000年以降のところがドットコムバブル、2008年がいわゆるサブプライムショックでして38%の下落を記録しています(底値は翌年2009年3月)。2018年は米中貿易摩擦が悪化していたことと、金利上昇懸念(2018年10月に米10年金利が3.2%を記録)が相まって、ちょうど年末にかけて下落していった年です。その分2019年は上昇しています。

収益率年数
30%超2
20-30%7
10-20%7
0-10%7
△10%-0%3
△20%-△10%2
△30%-△20%1
△30%未満1
平均8.4%

日経平均株価の話から、いつの間にか米国株式の話になってしまいましたが、株式投資家にとってはある意味一つの歴史的なタイミングだったのかと思います。またいつか、日経平均株価自体が40,000円超える時が来て、「失われた○年が終わった。新しい日本の夜明けだ。」となることを祈って、頑張って日本のGDPに貢献できるよう頑張っていきたいです。

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