11月10日、「世紀の空売り」で有名なマイケル・バーリ氏が率いるヘッジファンド会社、サイオン・アセット・マネジメントが米証券取引委員会(SEC)への登録を抹消したとのことです。

バーリ氏はSECの登録ステータスがTerminatedになっているスクリーンショットを添え、「11月25日からは、もっといいことに取り組むつもりだ」とSNSに投稿しました。

加えて、バーリ氏はこの投稿で、パランティアに対する弱気ポジションの詳細を公表し、2027年に「50ドルで同社株を売却できる」オプションに約920万ドルを投じたと説明しました。
これを1.84ドルで5万個買ったんです。1個100個の仕掛けです。つまり、920万ドル使ったんです。9億1200万ドルじゃないですよ。@CNBC @WSJ @FT
これらの仕掛けのおかげで、2027年に$PLTRを50ドルで売ることができます。
公開されたサイモンアセットマネジメントのレターでは、同氏の投資判断と市場の歩調が合っていないという内容が記されていました。

SCION ASSET MANAGEMENT®, LLC
2025年10月27日投資家の皆様へ
重い気持ちではありますが、私は年末までに(小規模な監査/税務上の留保を除き)ファンドを清算し、資本を返還いたします。
私の証券に対するバリューの見積もりは、現在も、そしてしばらく前からも、市場と歩調が合っていません。
心からの感謝とともに、そしてお詫びとともに、皆様の今後の投資の成功をお祈り申し上げます。
また、投資家の皆様には、私の同僚であるPMのPhil Cliftonに、今後の取り組みについてご連絡いただくことをお勧めします。彼には phil@pomeriumcapital.com
および (240) 447-6688 で連絡できます。Phil は投資の分野における非常に優れた若い才能であり、私がこれまで出会った中で最も卓越した思考の持ち主です。
Michael Burry
ポートフォリオ・マネージャー
ファンドを閉じたマイケル・バーリ氏ではありますが、11月11日、SNSでメタ・プラットフォームズやアルファベットなどのテクノロジー大手がコンピューター機器の減価償却期間を延ばすことで、利益成長を人為的に押し上げている可能性を示唆していました。

エヌビディアについても価格110でのプットオプションを購入した同氏ではありますが、注目されたエヌビディアの決算が好決算にも関わらず、翌日の株式市場は下落しました。決算では第3四半期の売上として570億ドル(約8.9兆円)を報告し、ファクトセットがまとめた市場予想の549億ドル(約8.6兆円)を上回りました。EPS(1株あたりの純利益)も1.30ドルと、予想されていた1.26ドルを上回りました。なお、前年同期のEPSは0.78ドルでした。

好決算を受け、エヌビディア単体の株価は市場外で5%上昇し、勢いもそのまま翌日のS&P500は寄り付きで1%以上上昇しました。しかし「期待が高かった」という理由のもと、引けにかけて下落に転じてしまいました。
ちなみに一度1%上昇してから下落に転じることは珍しいようで、1957年以降(約70年間)では8回目だそうです。また過去7回中6回において1か月後はプラスに転じているということでした。

AIバブルと叫ばれていますが、足元の調整局面が単なる調整局面であることを祈ります。


