チュートリアル徳井も行った会社設立のメリットとは。

金融知識

偶然、会社法や税法等勉強していて、会社設立のメリットをまとめようかなぁと思っていたら、ニュースが流れてきました。

チュートリアルの徳井義実さんの脱税疑惑。

どうやら疑惑ではなさそうな雰囲気ですが・・・

日本経済新聞より

“しゃべくり007″とか”今夜くらべてみました”などよく見ていたのですが、どうなってしまうのでしょうか・・・

良くないことなのですが、闇営業とか脱税とか、以前に比べて芸人さんのこういう話題が多いですね。

徳井さんは”チューリップ“という会社を設立して、吉本興業から個人へではなく、会社のほうに給料が振り込まれるような仕組みにしていたようです。

このように会社を設立することは多いのでしょうか。

実は芸人さんだけではなく、スポーツ選手のイチローさんも「IYIコーポレーション」という会社を設立して、資金を管理しているようです。

なぜ会社を作るのか

芸能人やスポーツ選手はなぜ会社を設立するのでしょうか?普通に給料をもらっていればいいんじゃない?と思いますよね。

実は、ほとんどが節税目的です。

次の表を見てください。

国税庁ホームページより

これは”所得税”の税率表です。日本の所得税は累進課税といい、給料が上がれば上がるほど税率があがります。

年収200万円だと税率5%と消費税より税率が低いですが、年収4000万円以上だと税率45%と半分以上持って行かれます。

さらに所得税に加え、住民税も10%徴収されるため、サラリーマンの場合、有無を言わさず半分以上(源泉)徴収されます。国民の義務とはいえ、せっかく働いたのに給料の半分が税金で持って行かれるのは悲しいですよね。

会社設立のメリット

会社を設立した場合、会社が”法人“という人格を持ち、人の代わりに会社がお金を借りれたり、会社がお金を貰ったりできます。

ですので、会社にも所得(利益)が生じると、個人と同様に税金が課されますが、これは所得税ではなく法人税が課されます。

また、”所得(利益)”の考え方も、個人の場合と比較すると税金に関してメリットがあります。

具体的には後述しますが、個人と比較すると、①法人税と②所得(利益)の考え方の2つの面でメリットが生じます。

法人税率

個人の場合、最高税率が55%(住民税含む)となりますが、法人税率は次の表の税率になります。

所得税と違って、地方法人税・事業税・法人住民税の計算の方法が複雑なので、法人実効税率というもので比較します。

税制改正等で毎年微妙に法人税率や事業税率等が変わりますが、概ね以下の水準です。少なくとも最大30%程度と、個人の最大税率と比較すると低いです。

平成31年 中小企業(東京都)

所得(利益)の考え方

もう一つのメリットは、”会社のほうが経費の範囲が広がる“ということです。

サラリーマンの場合、あまり”経費”という概念がありませんが、サラリーマンにも”特定支出控除“というものがあります。実は転勤に伴う引越し費用や、資格取得費用、書籍代等は経費として認められ、給与所得から控除することができます。

具体的には、例えば給与所得800万円/年の人が、とある1年間に転勤に伴う引っ越しや書籍購入などで100万円使っていたら、700万円が課税対象となるため、約23万円(100万円×23%)の税金を節約することができます。

ただ、サラリーマンの場合は”給与の支払者が証明”、つまり会社からの証明と確定申告をする必要があります。通常、源泉徴収で日頃何も消費税くらいしか税金のことを意識しない人にとっては手間ですよね。

前置きが長くなりましたが、法人となると、この経費となる範囲が広がります。例えば、事務所の家賃や旅費、自動車や飲食代も経費にすることができます。

YOUTUBERなんかは、自分の自宅が事務所みたいなものですし、動画を取るための企画として買った自動車や時計、ブランド物なんかも経費に計上できるのではないでしょうか。

飲食代も打ち合わせのために必要とか、”ゴチバトルやってみた”というような企画と称すれば経費で落ちそうです。

ちなみに私の知るところでは、自身の結婚式を”広告の一部”として経費計上した人も知っています。笑

ですので月400万円以上稼いでいそうな人でも、家賃100万円のところに住んで、毎日3万円くらい飲み歩いて、さらに奥さんを事務員として雇って給与を払っているということにすれば、全て経費計上できたとすると、月の所得は200万円くらいになるのではないでしょうか。

さらに税率は30%程度ですから、月に支払う税額は60万円。実質的な所得の400万円から考えると、10%ほど。サラリーマンの場合は月400万円だと税率は55%となるので、圧倒的に有利ですね。

まぁどこまで経費で落ちるか適切に見極めないと、今回の報道のようになってしまうので注意です。

会社設立にかかる費用

けど、会社を設立するのには手間も時間もかかるだろ、という意見があるかと思います。

しかし、調べてみると、資本金規制がなくなったことから、費用だけで考えると30万円程度で1~2か月程度で設立できるみたいですね。きっと徳井さんも誰かから”節税になるよ“言われて会社の設立したかと思います。

一方で、会社となると税務調査が入りやすくなったり、給与所得者と比べて自ら行う事務も増えるので(もちろんお金を払えば会計士・税理士にアウトソースできますが)、自己管理の徹底が必須ですね。

サラリーマンの節税対策は、ideco(確定拠出年金)かふるさと納税がありますので、しっかり活用しましょう。

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