アクチュアリー試験時代にマルチ商法で友達を失った話④ もう一人の友達

アクチュアリー

これまでは”東京の兄”と慕っていた友達の一件についてご紹介しました。

実はもう一人、全く別の話で「D君」という友達ともマルチ商法界隈で疎遠になりました。なお、Aさん~Cさん(以下「西新宿界隈」と呼ぶ。)とは全く別のマルチ商法界隈と推測されます。

全く東京は怖いところです。

D君は地元の友達でした。中学のときに同じクラスになり、そこから地元では”進学校”と呼ばれる高校に進学した同じ中学出身の10人程度の一人でした。進学校と言っても「進路が就職でなければ進学校」というところでしたので、4年制大学に行くのは25%程度。あとは地元の企業に就職だったり、専門学校にいくなりが大半という高校でした。成績上位層は日東駒専に行くようなところで、地元の国立大学(もちろん旧帝大ではない)いけばそれはそれは

町ゆく人に声を掛けられる

程度で有名人になれます。

高校在学中はD君とあまり接点はなかったのですが、高校3年生で「4年制大学行く人は在籍する」という趣旨の進学クラスで一緒になります。同じ中学ということもあり教室では基本一緒に過ごしていました。キャラとしては大人しい子で、身長は高かったですが、とても柔らかい雰囲気を持っていました。いわゆる”ガリ勉”タイプの優等生で、ずっと勉強をしている印象しかなかったです。

またD君の実家は地元では皆知っている料亭の長男で、中学のつながりから母親同士も知っており、D君のお母さんも料亭の女将(常に着物を着ているような場所ではないですが)だったので、上品でとても物腰の柔らかい人だったことを覚えています。

D君は東京の大学に進学しました。正確には東京近辺ですが、日東駒専未満の偏差値のところです。自分は地元に残ったので、D君とは高校時代のような頻度で会うことはありませんでしたが、夏や冬の長期休みの際に定期的には集まっていました。

そして自分も東京に行くことになります。

D君はとあるメーカーの営業職に就職しました。自分が新入社員時代は残業がない・週に数回アクチュアリー講座に参加するという生活が保障されていたこともあり

アクチュアリー試験に受からなきゃ殺す

という雰囲気だったことから入社して1年間は横目を触れず勉強してきました。D君からはたまに夕飯時になると「ラーメン行かない?」と連絡がありましたが断り続けていました。社会人2年目くらいになるとそこそこ手の抜き方を覚えてきたので、変わらず夕飯を誘ってれるD君の連絡に反応し、池袋の上のほうに住んでいたD君に合わせて、池袋でラーメンだけ食べて話すということを繰り返していました。

正直、この年頃になるとお酒が入るのが当たり前ですが、ひたすらラーメン食べて、少し思い出話にふけってと1時間コースでした。D君はお酒は弱くないイメージがあったのですが、「たまには飲み行こうよ」と誘っても頑なに「明日早いから」とか「ちょっと気分じゃない」「予定がある」と断られていました。

「嫌われているのかな」と思っていても、遅くとも1か月以内には「ラーメン行かない?」と連絡が来るので、「嫌われてはいないんだな。自分も勉強があるし。」程度の感覚で特に気に留めてもいませんでした。

とあるラーメン屋での雑談の中

金持ち父さん・貧乏父さんって知っている?

と聞かれました。

「金持ち父さん 貧乏父さん」は、お金のために働くのではなく「お金に働いてもらう」考え方を説く名著。資産(お金を生むもの)と負債(お金を奪うもの)の違いを理解し、不動産や株式への投資、ビジネスオーナー化を通じて、不労所得で生活費を賄う「ラットレース(ラットレース)からの脱出」を指南する。

当時は全く内容は知りませんでしたし、結局あれから何年か経っても読むこともありませんでしたが、慶応なり東工大(現東京科学大)のアクチュアリー同期に聞くと

「あぁ。そっち系ね。

と意味深な回答があったことを鮮明に覚えています。フォローするわけではないですし、前述した通り読んだことはないですが、社畜ロードしか知らなかった自分に資本主義のルールの片鱗を教えてくれたのはこの本でした。この本をきっかけに株式投資を本格的に始めることになり、今のところそこそこうまくいっているのは感謝しています。

繰り返しますが、本を読んだことはありません。

追々読もうとは思っていますが。

ちなみに西新宿界隈のエピソードの少し前の話です。D君の一件で「マルチ商法」というものをなんとなく認識し、これが西新宿界隈の深みに入ってみようというモチベーションに繋がったわけです。

D君の話に戻ります。結論として「金持ち父さん・貧乏父さん、知っている?」から3回程度ラーメンを食べて、D君との連絡が途絶えます。再度アクチュアリー試験期に入っていったのか、西新宿界隈が忙しくなったのか、D君からの定期的なお誘いが途絶えたのかは忘れましたが。

これを機に、なぜD君が一向に自分とラーメン以上の親交を持とうとしなかったのか判明します。どうやら夜に「すごいお金持ちと会っている」(原文ママ)とのことでした。当時は知識がなかったため、すさまじく怪しい言葉ですが、何をどう質問していいか分からず、ただただD君から溢れてくることばを聞くしかありませんでした。

「不労所得がほしい」「お金持ちはお金を働かせている」「その人をボスとしたコミュニティーがありそれに毎週参加している」とのこと。またD君自身も現在の仕事に不満があるようで、それがこっち側に傾くことに拍車をかけているようでした。

当時池袋の上の方に住んでいるということは前述しましたが会社の寮で、基本毎日会社の往復か会社のコミュニティーで完結することがとても退屈なのを愚痴っていました。とはいえ大企業でしたし、そこまでノルマがあるような雰囲気でもない、特に人間関係に困ったような感じでもなかったのですが、なによりがり勉タイプで地味なことを一生懸命できるD君が違う人になってしまったようでショックでした。一度珍しくラーメンの後にスタバに場を移すことがあり、2時間ほど延々と本音を聞くことができました。池袋のスタバの思い出です。

この後、3年ほど連絡が途絶えます。

西新宿界隈の話も過去となり、D君の界隈も同じようなものだったと大人の振り返りができるようになった頃、突然D君から

久しぶり!ラーメン行こうよ

と連絡がきました。今までは平日の夜でしたが、この日は休日の昼間で数年ぶりの再会です。もちろん場所は池袋。数少ない地元の友達(といっても東京での地元の友達は彼のみ・・・)なので、時間が巻き戻った時間を過ごすことができると期待し、何もなかったようにラーメン屋の前で待ち合わせします。

そこに現れたのは別人でした。

向こうから元気よく「久しぶり!」と声を掛けられたので迷うことはありませんでしたが、ここまでヨレヨレになるのかと思うほどのスーツを身に纏い、ラーメンばかり食べていたので人よりふくよかだった体系もガリガリに変貌し、ヨレヨレのスーツにも「人ってこんなにフケが出るのか」というほど肩が白くなったD君が現れました。こち亀でいう「日暮」が起きた瞬間のようないで立ちでした。声だけが昔と変わっていません。

あまりの変貌ぶりに逃げ出したかったですが。この場から立ち去るわけにはいかないので、この数年何があったかラーメンが着丼する間にヒアリングします。

特にマルチ商法の話題はなかったのですが、結局イベント会社?(会議室やイベントの設営)に転職した事、なかなかのブラック企業で今日(ラーメンの日)も徹夜明けだったとのこと、この後も仕事があるということだけ聞けました。

ラーメン食べた後は「またラーメン行こうよ!」と少し”ラリっている人”とも見えなくもないテンションで、池袋の喧騒の中に消えていきました。特に変な雰囲気も出さずにその場は終わったと思っていたのですが、D君からの連絡はこれっきりになります。

その後しばらくして地元でD君の話題になりましたが「行方不明になったよな。」とか「少しテンション変わってた。」という話を耳にしました。一度、普通にご飯を食べにD君のお父さん・お母さんのお店にお邪魔したことがあるのですが「”いわし”君、久しぶりじゃない?」と自分の母親経由で入っただろうと他愛もない会話をしたあとに

「Dとは仲良くしてもらってる?」

と聞かれたときは、ラーメンを食べたのが数年間にも関わらず「最近一緒に行きましたよ!」と答えてしいました。「そう。いつもありがとね。なかなか連絡寄こさないから。」と言われ申し訳なく思った半面、「生きてはいるんだな。」ということがわかり少し安心しました。

その後、アクチュアリー試験に合格し、お座なりになってしまった人間関係を元に戻そうと思いましたが、やはり色々目の前のことで手いっぱいで、D君への連絡を含めて後回しになってしまっています。言っても残るべきして残る人間関係はアクチュアリー試験を通しても意図せず残っていたので、あまり思い出補正に引っ張られるのも良くないという言い訳もあります。

せめてD君の生存確認をしようと、D君の実家のお店に足を運ぼうと思いましたが、Googleの情報では少し前に閉店してしまっているとのことでした。

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